俳句109:鞄開き残る香や蚊取り線香
鞄開き残る香や蚊取り線香
かばんあきのこるかやかとりせんこう
季語:蚊
余り使うことの少なくなった蚊取り線香。小さな子供がいたり、ペットがいるや服に匂いがつくなど、理由は様々あると思う。
しかし、実家ではまだまだ現役で使われている。帰省から戻っても、まだ残っている蚊取り線香の香りに、また帰省を思い出す。
【推敲前】
着替えから蚊取り線香薫りけり
きがえからかとりせんこうかおりけり
着替えに残っている蚊取り線香の薫りとしていた。「着替え」という言葉で、時間の長さを感じさせることで「帰省」も想像させる。問題としては「線香」とあれば「薫り」を書く必要はない。ただ「薫りけり」とすることで、強調する意味はある。しかし語順的も悪く、類想句であること間違いなし。
だから推敲句の上五は「鞄開け」に変更。色々な鞄があり、最初から想像を限定させない。
そして「残る香」+詠嘆の「や」で、鞄の中の「匂い」にクローズアップする。最後に答え合わせの「蚊取り線香」。
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