こっそり俳句

さんが(三可)

■■俳句集■■

 このページの俳句は、少し意識して手直した俳句をまとめたものです。次の頁からは、俳句のタネになります。

※■は応募済、□は未応募。横の番号はエピソードNo.になります。この頁が推敲した、最新の句になります。


【初春】

■21:草の芽を指折り詠むはリハビリよ

■03:春寒し一次通過も妻は散り

□30:冴えかへるデリートは十万字かな

□16:子の名入り裁縫セット針供養


【仲春】

■22:受験日も平温願うおりんの音


【晩春】


【三春】

■03:春眠し父のスマホも目覚ましへ

■  :春愁や標準木も代を替え

■34:春の朝半分っこの焦げたパン

■35:春雷よ消えぬノイズはボクの中

■  :風光る名も無きトリのマスコット


【初夏】

■23:手酌酒一切れ多き初鰹

■  :六人の子供神輿へ袖捲り

□31:酸いを知りクリーム纏う苺かな

■  :新緑のカーブミラーに海ばかり


【仲夏】

■25:夏帽子騒ぐ釣り餌にソーセージ

■  :炎天下飛び石濡れしけんけんぱ

□40:梅雨空の一万キロに描く線

□44:白黒の紫陽花もまだ艶やかに


【晩夏】

■26:孫仕様重箱埋める若牛蒡

■  :朝凪や揃えた靴も踏み出せず

■  :秋近し間引く畑の赤きかな

□  :お前もかWi-Fi切れて蝉の声

□  :潮風の溜まりし空のプールかな


【三夏】

■24:孫とまた褪せし漫画にソーダ水

□01:よだち避く五十路男に赤い傘

□36:夏風邪に味噌汁とパンのドヤ顔


【初秋】

■27:雨に消ゆクレヨン書きの短冊かな

■  :通勤路と指示器を逆へ葡萄狩り

■43:「だんないよ」小さき返事の風の盆

■  :奏は鉋かなかなの遺骸かな


【仲秋】

■  :うたた寝のライブカメラの月今宵

■  :敬老の日祝う餅はどら焼きへ


【晩秋】


【三秋】

■  :庭で広げし運動会も弁当も

□  :一休み小筆の先の赤蜻蛉


【初冬】

■10:珈琲と霜取り暖気待つ車中

□04:小春日に何とかなるさ逃ぐ散歩


【仲冬】


【晩冬】

■06:カップ手に釣り銭五枚息白し

□13:除雪車の告ぐ警報や午前5時

□02:寒の水ローン半ばに身も軋み

□38:雪だるま手の温もりを知りて逝け


【三冬】

■  :二十年鍋の香にさえ知る機嫌

■12:ポケットの父の手袋柄違い

□20:こたつむりWi-Fi切れてのろのろと

□32:粥嫌う子の朝食は肉まんに

□39:また遅れ解消出来ず冬桜



【新年】

■15:保護具付け天井見上ぐ事務始

□18:一年の迫る期限に今日も餅

□19:園児らの独楽名人に誇らしく

□33:点滅信号の先の初日かな



【無季】

■  :今日だけ仕舞う隠す手の指輪跡

■41:未来行き人災が為遅延なり



【備考】

 俳句を初めて一年ほどの初心者です。自己流でしたが、先日夏井いつき句会ライブに行ってきました。

 衝撃的だったのは俳句は、「文系」よりも「理系」向きらしいです。

 例えば、十七音の中に五音の季語が入れば、残りは十二音。その中で、ストーリーを組み立て、文字を効果的に配置する。ロジック的な考えは理系向きで、有名な俳人には理系が多いそうです。

 そういう考えをすれば、季重なりも納得出来ました。

 俳句の主役となる季語。それが二つ入れば、使える文字が減ってしまう。さらに、二つの季語の主役を決めなければならない。確かに上級テクニックで、初心者は手を出してはいけないと分かります。

 そして俳句のコツは、まずは音数を気にせずに沢山タネをつくること。音数調整は才能ではなく、慣れだそうです。

 真逆の考え方に、少しだけ成長した気がした句会ライブでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る