目覚め
体が重く、沈んでいく。
結局のところ……僕は死んだのだろうか?
暗くただひたすらに沈んでいく中で一人、僕はぼーっと流れ続ける。
どこまでも、ずっと。ずっと。ずっと。
それでその果てで───。
■■■■■
光だ。
「う、うぅ……」
僕は自分の視界の中にまぶゆい光が入ってきたことで思わず悲鳴を上げて目を瞑ってしまう。
「「「コーレンっ!」」」
その瞬間。
「かふっ!?」
僕の体に大きな衝撃が走ってくる。
「いってぇぇぇぇぇえええええええええええっ!?」
それと共に自分の全身へと鈍い痛みが広がって僕は思わず絶叫を上げてしまう。
「ちょっと!?貴方たちいきなり抱き着くのは流石にまずいわっ!」
そんな僕の耳へとウルティの声が聞こえてくる。
「……なるほど」
どう、やら。
僕は何とか命を繋ぐことができたようだった。
全身に痛みが走るが、それでもしっかりと。
「……状況は?」
僕はすぐさまウルティの方に視線を送って疑問の声を上げる。
「何の動きもないわ……おそらく、貴方の功績でしょうね」
「僕が倒れた後、どうなったの?」
「……はぁー。まずは自分の状況について触れてほしいのだけど。気になるだろうから先に告げておくわ。死にかけの貴方を発見したのはたまたまだったわ。食料確保のために森へと入ったために見つけただけ。そこで発見された殺された幹部の存在は上層部に大きな衝撃を与えると共に、森からの襲撃を警戒させることになったわ。とはいえ、まだ何の動きもないけどね」
「首魁は倒したからな。動こうにも動けないでしょ」
「えぇ、そうでしょうね。上は貴方の勲章式を始める準備をしているところよ」
「……そっか」
僕はウルティの言葉に頷く。
自分、一人で周りから認められる功績を……僕が立てたのだ。
「そっか!じゃないわっ!」
「いってぇっ!?」
いきなり、ウルティが僕の頬をつねり始める。
「本当に一人で何をやっているのよ!?貴方、死んでもおかしくないような状況だったのよ!」
そして、そのままウルティは僕に対して激昂の言葉を告げる。
「そうだよぉ!私たちに言ってよぉ?前にも言ったよねぇ?自分の体は大事にしてってぇ?ねぇ、それは何処に行ったの?ねぇ、どうなっているの?何で、自分を軽視するの?それ、やめてって言ったよね?」
「ふふふ。あぁ……ダメだよ?そう。ダメだ。これは二度目じゃない?だって、そうだよね。僕の顔も三度は持たないよ?」
「もう拘束してもいいよね?監禁してもいいよね?だって、ずっと私たちを無視して危険なことするんだもん。いいよね?許してくれるよね。こんなの、そうだよね?あっているよね?ねぇ、ねぇ、ねぇ」
「ははっ!?」
それに続くよう。
ルーエたち三人も僕の方に詰め寄ってくるのだった。
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