それはそれとして
僕とルーエたち三人の間に。
自分の辞めたい発言でちょっとだけ気まずい雰囲気が出ているが……それはそれとして僕たちはしっかりと仕事はこなさくてはならない。
「ふんふんふーん」
ルーエたちがド派手な攻撃で魔族側の砦を苛烈に攻め立てている中。
僕がやるのは細かな雑用と戦闘である。
「クソっ!ちょこまか、ちょこまかと!」
「卑怯だとは思わないのか!」
「多数で囲っている側に言われても」
僕は今、魔族側の砦に潜入して大量の魔族を引きつけながら戦闘をしている最中であった。
「クソっ!結界が硬すぎる!」
「そりゃ僕の身を守るのは最高位の結界が施さしてくる古代の魔道具によるものだからね。カチカチに決まっているじゃないか」
基本的に魔族の攻撃は足で避け、よけきれない広範囲型の魔法が飛んできても自分の身に着けている結界が守ってくれる。
「いけ、鎖の獣たち」
僕はこれまた魔道具の一種である自立して動き、敵を容赦なく絞め殺していく鎖を何本も解放して魔族たちを襲わせていく。
「あっ!?く、クソっ!何だ、この鎖とも!」
「……まっ、し、死ぬっ!」
「クソ、今助け……うわっ!?」
「くそぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「邪魔なんだよ、これぇ!」
凶暴で非常に硬い鎖を前に魔族たちは翻弄され始める。
「はっはっはっ!この程度じゃ終わらないぞぉ!」
そんな魔族たちを前に僕は高笑いを浮かべながら魔法までぶつけ始めていく。
「うわぁっ!?」
「クソっ!あの野郎!ちゃんと強いぞ!」
「い、今ので何人……」
「あ、あんな三下みたいな真似をしてちゃんと強いのかよ!」
「囲め!囲め!って鎖がァ!?」
反撃の態勢に入った僕に動揺し、鎖に翻弄されている魔族たちを次々と僕は様々な手を使って倒していく。
物理、魔法、毒、呪い……どれか一つに耐性があろうとも意味はない。
「えぇい!いつまで子犬一人に手を焼いているのだ!主要戦線は向こう側で暴れている女側だというのに!」
そんな中で、更に新手が一人。
「おっとと」
魔族たちと戯れ、いくつかの魔族を討っていた僕は自分の前にやってくる大柄で強力な魔族の姿を見た瞬間。
一切迷うことなく踵を返して逃亡を開始する。
陽動としては完璧に役目を果たしだろう。
今頃、別動隊がしっかりと魔族側の砦に侵入し、相手の指揮官を暗殺出来ているのだけど。
「……さいならー」
「くそぉーっ!!!逃げるなァァァァァァ!卑怯者ぉっ!!」
そんなことを考えながら僕はこの場を去るのであった。
新作です!お願い!読んでぇぇぇぇ!
『自宅の庭にあるダンジョンで魔物を育てているモブ高校生の僕、クラスの美少女配信者を新種の魔物を引き連れて助けた結果大バズりしてしまう』
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