陰キャダンジョン配信者。噓告されて自殺配信たれ流したら、レアスキルもらって、陽キャの仲間入り。
永遠 水月🚰🌙*゚
第1話・嘘告・過去・自〇配信決意
いろんなもの書いてますが、書きたいものを書きたいときに書く。
それが私の信念なので文句は受け付けておりません。
誤字脱字、言い回しへの違和感等は教えてください。
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「ひゃっははは!お前本気にしたの?ばっかじゃねーの?こいつがお前と付き合う?
万に一つもねぇーよ!こいつは俺と付き合ってんだよ!だっせー陰キャは、
一軍トップ陽キャの俺らの遊び道具になってりゃいいんだよ!!!」
そういいながら自称一軍トップ陽キャの葛来 唖九汰(くずき あくた)は俺を
ぼこぼこに殴ってくる。周りの人たちはカメラを構えて悍ましい笑みを浮かべ笑い、一緒になって殴ってくる。なぜこうなったのか。
~~~~回想~~~~
「あのー、四葉君だよね!放課後ちょっと時間あるかな?
二人きりで話したくて!伝えたいことがあるんだよね!」
そういって数少ない友人と二人でご飯を食べているところに、彼女は声をかけてきた。
彼女の名前は、安久 伊鶴(あく いづる)。
俺が通っている高校のスクールカースト上位に君臨している、いわゆる陽キャだ。
彼女はその美貌と堂々とした振る舞いから、{美の令嬢}と呼ばれている。
しかし、表向きはそういう風に呼ばれてはいるが彼女の裏の顔を知っている人から
すれば、人の金と人の男と自分にとって都合の悪いことを家の権力で吸い取ることで優越を得ているくそ女{全吸の悪魔女王(サキュバスクイーン)}と呼ばれている。
というかこのあだ名考えた人すごいな。中二病こじらせすぎじゃない?と今の俺なら思うが、この時はまだ{美の令嬢}という表向きのあだ名しか知らなかったため、
「僕。。。ですか!?えーっと、僕なんかがいいのでしょうか?」
などと、あほみたいに陰キャ臭漂わせながら、一人称もわざわざ変えて返答する。
「えぇ!いいの!大切な話だから一人で来てね!じゃあ、また放課後!待ってる!」
そういって満面の笑みで優しく元気にいいよ!と言ってくれたことに完璧に骨抜きになった俺は、友人の
「おまえ、あの人の裏の呼び名知らないのか?絶対行くなよ!ろくな目に合わんぞ!」
という、忠告も耳に届かずに言われたとおりに放課後が来るのを気色の悪い顔を浮かべながら待っていた。
そして、放課後。
「私、四葉君のことが好きになっちゃったみたいなの。
それで、お付き合いしたいなって思ってるんだ。ダメ…かな?」
そこの君!べた過ぎる告白だし、あざとすぎるとか言わない!裏の顔を君たちは知ってるからそう言えるんだ!なんて誰に話してんだか。。。
そんなこんなで、
「僕なんかでよろしければぜひぜひよろしくお願いします!」
もちろん二つ返事で、何ならフライングで返事したよね。
そうしてお付き合いが始まる。。。なんて矢先。
ピコン。何とも不穏な音が聞こえてきて。。。現在に至るというわけです。
~~~~現在~~~~
そうして散々ぼこぼこにされた挙句、動画ばらまかれたくなければあの場にいた5人に一人一万円ずつ払えと言われ、なけなしのバイト代全部渡してしまった。
不幸中の幸いというべきかなぜかちゃんと動画は消してくれた。まぁ、口で言いふらすから動画なんかいらないって思ったのかもしれないが。
動画がなければ嘘を言ってるって言えばいい。証拠はないんだからって?
わかってないな。スクールカースト上位勢の言葉とスクールカースト最底辺の俺の言葉なんて、影響力は月と鼈(すっぽん)くらい違う。
大半の人は目を付けられたくないからか、あいつらが白と言ったら白だと思うやつが多いんだ。つまり、証拠を持ってる底辺と、証拠のないトップ勢。支持を得られるのはトップ勢なんだよ。
最近ストレスたまっているせいか一人でだれかと心の中で会話することが多いな。今日は早めに寝るか。なんて思っていると家に着いた。
鍵を開けて家に入る。
「ただいま。」
返事はない。まぁ、一人暮らしだから当たり前なんだが。。。
なぜ、一人暮らしをしているのかというと、話は大きく変わるが、
10年前に世界にある不思議な現象が起こった。突如として世界各国に謎の光の柱が
出現した。各国の政府は事態の解明に追われ、少し民衆もパニックになっていたが一か月間ほど特に何も起こらなかった。
日本政府は事態の解明はできていないが、今のところ特に問題はないと正式に発表した。その数日後。突如光の柱がなくなり、その柱のあった場所に様々な建造物が立った。ある物は洞窟のようなもの、ある物は塔のようなもの、ある物は近未来の実験施設のようなもの。
問題はないと発表したにも関わらず数日後に表れたそれらに対し、
説明責任どうのこうのと意味のないことを繰り返してしまったため対応の初動が大幅に遅れてしまった。それがあの惨劇を起こしてしまった。{大災禍・特級魔物侵攻}
通称・大特侵。
様々な建造物から神話に出てくるような化け物を含めた、{魔物}が一斉に、外へ出てきて人々を襲い始めた。死傷者は数えきれないほどの数に及んだ。
対応が遅れ、ろくに情報もない状態で各軍が殲滅作戦に導入され、何とかこれを抑え込んだが、ほとんどの軍が壊滅。全軍の七割が無残な死を遂げるか、軍に復帰できないほどの重傷を負った。けがのなかった人間も精神に過度な負担がかかり、少なくない数が現場復帰困難となった。
俺の父は、自衛官。母は、医者だった。
そして一番大特侵の被害が大きかった地域である東京で二人とも自分の仕事に励んでいた。父は、{大特侵殲滅作戦}で先遣部隊の隊長に任命され指揮を執っていた。
先ほども話したが、ろくに情報もない状態での先遣部隊。あとは、わかるだろう。
母は魔物に襲われ、けがをした傷病者への治療を行っていた。ほかの医師や看護師は逃げたらしいが、母は最期まで手当をしていたらしい。母を探し、勤めている病院を訪れた時の光景は忘れない。病院は半壊。魔物の攻撃と思われる酸の影響で病院はドロドロに溶けていた。
建物に近づくと、見覚えのある姿が目に移った。左半身が酸で溶け、所々骨がむき出しになっているにもかかわらず麻痺状態にさせられたのか生きながらえている母の姿を。どうやら、小児病棟の子供を身を挺して守ったらしい。
数分後、母は息絶えた。
まだ、小学生にすらなっていなかった妹は、いろんな大人の人の協力もあって、無事に祖父母に引き取られた。しかし、幼いながらに相当大きなストレスを感じたのだろう。あの日からどれだけ年を重ねても声を発することができなくなった。それだけではなく、感情もなくなった。今も、祖父母のところにいるが、俺はそんな妹のことを見ていられなくて祖父母の家から離れたところで一人暮らししている。
その後政府は建造物をダンジョンと呼称すると発表、同時に軍関係者や医療従事者の家族及び大特侵によって日常生活に支障をきたす障害を負ってしまった人々に今後の生活が困らない程度の保証金を毎月振り込むということだった。
簡単に言ってしまえば、俺は働かなくてよくなったのだ。というかむしろ働けなくなった。多大な保証金をもらったうえで、働いてしまうと生活保護という名目ではなくなってしまうため、毎月の振り込みがなくなり、自分で稼いだ金だけで自分、妹や祖父母の家賃やら病院代やら払わないといけなくなる。
色々考えたら、この世に未練なんてない気がしてきた。学校に行ってもあいつらの格好の的になるだけだ。家賃等も父と母が仕事中に亡くなったという補償と妹の傷病者手当でお金を払っているし、このお金も祖父母のところに行けば妹が大人になっても苦労はしないだろう。
せっかくだし、最近流行っているダンジョン配信とやらで自分の人生を順を追って説明しながら愚痴をはいて死のう。
そうして、自〇配信の予定を組み、明日に備えて寝ることにした。明日は、運よく土曜日。最低で最高の最後にしよう。
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