第5話「混迷の教」

遠い空を見ていた

ただ遠く

遠い

彼方にある

途方もない道

果てばての追憶を超え

未来さえも遠い

この人生にある

最期の標道

ただ命に迷い

混沌を行く

そんな最後のパレード


後扉は

ただ感慨深さに

遠ざかり

この困窮と必然的な回想に

思いを据える

ただ探求の本堂に

この滑落した冷酷なる

次元に


ただ戒めの戒律を

急いていた

ただ生きては

その根源にある

命の深さを問い

だが幾多の無礼講を

夢見半分に

吐露していた


ああ、なんとも世界は

むつまじく動じない

この千里の道を行った後に

後扉はあるだろうか

道はあるだろうか


ただそうして考え

今日もただ

淡き顛末を

柊のように舞い落ちる

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