第3話「決した母」

時間と重荷の関係は

心にある差分では解けない

この葛藤に

この最悪に

ただ劣情を落とし

耽る時間が

我が子を慈しむものであっても

そこに行きつく通りが無いとしても


この厄災にある殺意を

世界に向けようと

ただ混然とした羅列的因果など

どうもできない


この不条理と順序立てられた

時間的バリエーションが

ただの景色的な観測と

過去に創る思いを焦がすから


もう死を予見して

ただ我が子と同時に

その災害を憎むが


ただ一里の因果的光逆を

不全なる命のメカニズムを

ただ飽き飽きしたと

吐いて捨てる


その盲目の私は

ただ生きて居たこの過去に

もう戻れないと

だったら死んで死んで

もう未来を捨てきって


投げ売った

身を

崖に放った後扉を


もう返す事無く


むざむざと死のうか

君のために死のうか、


もう未来は決した

君が死んだときから私は死んだんだ


だから後扉は開くだろう

子へと続く道が見えるような気がする

だから私は今日、死ぬのだ

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