第13話 🐭ディズニーリゾートは不況知らず🐭
正確にいうと、カッパの里はディズニーランド内のジャングルクルーズの敷地内、以下HPの紹介動画15秒あたり(たくさんのカバさんが口アーンしてるとこ)の水中にあるのだ。下記参照 ↓
https://www.tokyodisneyresort.jp/tdl/attraction/detail/153/
だがボートから飛び降りるわけにはいかない。
いくら愉快な船長さんといえども、ゲストが二名も飛び込んだら愉快じゃいられなくなるからだ。
落下したゲストの尻が水面に触れるか触れないかのタイミングで、水中の岩壁の一部がスライドして中からドライスーツの捜索隊がワッと沼に放たれるのだ。そして我々を捕らえるや水上に抱え上げ、なんか大きい運ぶ奴に放り込まれて、そのままシンデレラ城の地下まで運ばれ、そこに幽閉されている4代目ウォルト氏(脳みそだけで水槽に浸かってる感じ)の餌食になる未来が見えている。だから別の手を考えねばならない。夜間に忍び込むか・・・
「ハハハ」と光一「ウォルト氏は脳みそだけで生き永らえているってか。そんな都市伝説、聞いたことないぜ。第一、フロリダを差し置いてよく東京(千葉)にお越しくださったもんだぜ😂」
ゲラゲラ笑う光一の口からチュロスのくずが四方八方に飛びちる。
「フロリダに鎮座ましますのはオリジナル、つまり初代ウォルト氏さ」と神妙に語る新吉。マンガなら黒背景で額あたりに火花みたいのが光ってるとこ。
「しかし夜は水温が更に冷たいだろう。心臓マヒでショック死なんてゴメンだぜ」
と光一が言い終えるより前に、通りすがりのヤクザが光一の胸ぐらをつかむや頭突きを浴びせた。飛び散らしたチュロスが服にかかったらしい。
「あんたみたいなヤクザ、夢の国にふさわしくねえんだよ!」
光一は涙目で、それでも漢気を振り絞って抗議した。
「あんだコラ顔射すっぞ」
と言ったのはヤクザではなく光一とヤクザと、ついでに新吉までもはねとばしたウェスタンリバー鉄道の運転手。
さっそうと運転室から降りてきて、地べたでイテテ状態の3人を見下ろす。
その表情は、まるで出来が悪い生徒を叱って泣かせた教師が見せる表情のように、眼前の相手への嫌悪を慈悲のクリームでがっつり覆い隠していた。
つまり園内を走り回る汽車の危険で意図的な脱線のほうが、園内のケンカ騒ぎよりマシというわけである。
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