第432話 【夜間修練】あの子たちのため
少々……いやほんの少々、取り乱してしまったところもあったけれど……
最終的に
こちらに関してはおれが『わかめちゃんは万能なのでどちらでも戦えます!』と、半ばヤケクソで声を張り上げたことにより……とりあえずは強引に事態を終息させることに成功した。と思う。
ちなみに下馬評では『わかめちゃん攻め』が五分に対して『わかめちゃん受け』が三割、そして『わかめちゃん総受け』が六割五分だった。ちょっと待ちたまえ
そんなこんなで時刻は深夜。配信を終えたおれたちは現在、取り急ぎ
配信のときには場の空気に流されてか、一人で寝ることを余儀なくされるというかわいそうな扱いを受けてしまった
あからさまに『しゅん』としている小さな彼女を見かねてか……『わたくしのお部屋で一緒に』と、いたずらうさぎちゃんを受け入れる姿勢を見せてくれたのだ。
涙目だった
同居人の
「ノワおまたせ。持ってきたよ」
「ありがとラニ。じゃあえーっと……このへんいい?
「はいっ。問題ございませぬ。それと
「うぅぅぅぅ…………
「んふふっ。ご安心くださいませ、
((アァーーーー
一階の客間から、以前『なかよしゲーム部』の方々が遊びに来た際に調達していただいたお布団(女の子用)を
ざっくり北側に入り口がある和室の、窓がある東側に
ちなみに南側には、吹き抜けから一階リビングを見下ろせる通風窓(兼・
こうして三人で共用することになったとはいえ、十畳ともともと広さには余裕がある二階和室。三方向に開口を取れることもあり、居住環境は悪くないだろうとは思っていたけど……さすがに三人暮らすのはちょっと手狭かもしれない。
おれの私室なんて、この倍の広さをおれとラニで二人占めしてるんだもんな。時間ができたら、ちょっと部屋割を考え直したほうがいいかもしれない。
「じゃあとりあえず……今日はお疲れさま。また明日からよろしくね、
「お任せくださいませ! ではでは……ご主人どの、おやすみの
「「(ギロッ)」」
「冗談に御座いまする! ほんの戯れに御座いまする!!」
「ははははは……ほどほどにね」
一方の
それに……彼女たちには、われらが良心
おんなのこ部屋のことは……まぁ、なんだかんだで心配は要らないだろう。
「そーだよノワ。他の子の心配してる場合じゃないよ?」
「ヴッ!! …………でもさ、あの……本当にやるの?」
「なにを今さら。ノワが決めたんでしょ?」
「それはそうですがぁ!!」
もうそろそろ日付も変わろうかという深夜。おんなのこ三人組と別れたおれたちは、またおれたち自身も睡眠をとるべく、寝床へと向かっていた。
階段を降り、廊下を歩き、正面の引き戸を開け……そうして辿り着いたのは、インダストリアルテイストのカッコいい家具でコーディネートされたおれたちの寝室、
「お疲れ様っす先輩……と、白谷さん。布団敷いときましたよ」
「ありがとね、モリアキ氏……じゃなかった、
「ッフヘヘー」
「チクショウかわいいなぁおまえ……!!」
「
半袖シャツとスパッツというたいへんラフな格好に身を包んだ、世にも珍しい長い耳と褐色の肌と手ごろなサイズの双つの実りをもつ、年の頃は十四そこらに見える……笑顔が眩しい美少女。
おれこと若芽ちゃんの設定上の姉にして、産みの親(の一人)でもある彼女の名は……初芽ちゃん。
そしてその
そんな
「オレもこのカラダなら
「よかったねノワ、モリアキ氏と同じ部屋で眠れるよ!」
「それはそうだけどぉ!!!」
そう……全てはおれのたいせつなあの子たちに、寂しい思いをさせないため。
おとことしての心をもっているおれの、おれ以外の女の子に対する免疫力をつけるため。
いうておとこどうしだから健全だからな、なにもやましいことなんかないわけだ!!
そう頭では理解しているけども!!!
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