第420話 【夜襲会戦】『勇者』の戦い
『さて、片割れは早くも死んじゃったワケだけど…………いや、これそもそも『生きてる』って言うべき?』
「ッ、知らねぇよ! 【
『うわぁーコワいー(棒)』
おれたちが呆然と見つめる先、そこではこれまた壮絶な戦いが繰り広げられていた。
まるで一本一本が意思を持ったかのように飛び回る、
傍らには既に首から上を失くしボロボロに成り果てた『龍』だったものが、はらはらと宙に解けるように消えようとしている。
いやー、びっくりしたね。いきなり『龍』の生首が降ってきたんだもんよ。
見るからに機能を停止している死骸(生きていたのかはわからないが)が飛んできたところで、魔力を持っていなければ探知に引っ掛かってはくれないわけだな。
ノルマを消化して気が緩んでたのと、がまんが緩んじゃった
並列思考を失って詰めが甘くなっているのは、どうやら
「……ッ!! な……何だよソレ! ざっけんな反則だろ!!」
『とんでもない。ボクのアイデンティテテュイ? だよ。まぎれもないボクのチカラさ』
「ぐ…………っ、【
『……そっちこそ反則じみてない? ステラちゃん。従えられるモノに制限とか無いの? ステラちゃん』
「あったとしてもテメェなんざに教えねぇよ! 大人しく死んどけ!!」
『やだプー』
その『反則』じみた戦法に異議を唱えようとするものの、全く聞く耳を持たないどころか更に煽られ……
いやまぁ、確かに……連携を阻止するためには煽り・挑発が有効なのかもしれないけど……味方であるはずのおれから見ても、そこはかとなくムカつくもんな。
かわいそうに顔真っ赤な
これまた見事な手際で二体目の『龍』が解体され……このボス戦も、残すところあとひとり。
『ほらほら、あとはもうステラちゃんだけだよ。どうやら
「ギ…………ッ!!」
……いやぁ、くっそムカつくわこの
おれはまだ
残念なことに、煽り耐性が低めの
(いやね、こんだけ怒ってくれれば警戒疎かになるじゃん? そこを魔法使いに【草木】で緊縛拘束してもらおうって寸法よ)
(こちら
(こちら
(ねえ採集の刑ってなあに!?!?)
(するとして! でも……おれ
((ファーーー!!?!?))
えーっと……
今や彼女の周囲を取り巻く
そしてまぁ、当然というか何というか……彼女の周囲足下の大地も、同様に『支配下』に置かれてしまっているようで。
おれが【
「えーと、待ってね。えっと……【
「『うそやん』」
「待っ、まっ……【
「『うそやん』」
「【
「「『うそやん!!?』」」
鉄壁の守りを得た
おれたちは一転して窮地に陥り……とりあえず
――――――――――――――――――――
『これ待ってたら嵐過ぎ去ったりしない?』
「こちら
「こちら
『おいやめろばか!!!』
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