第69話 猫ちゃん達はお世話に興味津々


「僕が診てあげるね」


「人間さんは何かできちゃうにゃ?」


「原因がわかればね」


 ゴミ拾いを起動すると、案の定ノミが巣食っていた。


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

 にゃんタロウ

 <状態異常>

 エンシェントフリー【取得☆100.00】

 デビルフリー【取得☆130.00】

 アルティメットフリー【取得☆150.00】

 エルダーフリー【取得☆180.00】

 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


 しかも随分と大量のノミだ。

 地上では見たことのないものばかり。

 隔絶された空間にいるからこその新種だった。


 それぞれ要求スコアは100以上。


 ここ最近スコア☆は溜まる一方なのでここらで大量にゲットしちゃうか。


 猫さんとはもっと仲良くしたいしね。


「原因がわかりました。ノミが四種類もいました」


「にゃんと! 目に見えないサイズのものがわかってしまうにゃ?」


「まずは一種類ずつ取り除いてみますね?」


 これは意地悪ではなく説明も兼ねている。


 痒いと一言でいっても種類があるからだ。


「痒くなくなったにゃ! 凄いにゃ。魔法かにゃ?」


「今のはエルダーフリーというのを除去したんだ。まだ痒さは残ってるはずだよ。エルダーの痒みはどこから来てたの?」


「背中の痒みがなくなったにゃー!」


 体全体を使って表現してくれるにゃんタロウ。

 かわいい。


 ほぼ二足歩行する以外は猫なのでそのままモフりたくなってしまうが、ここは我慢だ。


 そこから色々種類を分けていくと、検知したノミ達は住む場所に特徴が分けられてると言ったところか。


 エンシェントは尻尾の付け根。

 デビルはお腹周り。

 アルティメットは耳の裏。

 エルダーは背中、とそれぞれ縄張りが決まってる様だった。


 ノミを除去できると知ったにゃんこ達が、僕も私もと手を上げて僕に向かって押し寄せてくる。

 にゃんこパラダイスだ。


 もみくちゃにされてるのに何でこんなに癒されるんだろう。


 肉球を押し付けられたりしながら、街に住まう猫ちゃん達を熱心に治療してあげたい。


 ついでにモフっていいですか?

 ダメですか……どうやら普通のアニマル同様に扱うのは最大の侮辱行為らしく、同じ人型生命体として扱って欲しい様だった。


 わがままだね。

 わがまま猫ちゃんだ。


 ただ、それを知った上でロキのお世話をすると、尻尾をピンと伸ばしながら羨ましそうに僕たちの憩いの空間を覗き込む猫ちゃん達が複数居た。


「それは何をやってるにゃん?」


 代表してニャンゾウさんが聞いてくる。


「ブラッシングですよ。ロキは僕にブラッシングされるのが大好きなんです。この子は基本戦闘狂です。ドラゴンにだって果敢に立ち向かう立派な戦士。ですが……」


 僕が一撫でするとだらしなく表情を緩めて体をフニャッとさせる。


 ニャンゾウさん、さっきから尻尾が忙しないですよ?


「僕のブラッシングによって気高い戦士は一匹の獣になるんです。野生ではなく人に懐いたペットみたいになります。もちろん、僕とロキは対等の関係です。彼をペットの様に扱ったりはしてませんよ?」


「ふ、む。確かに気持ちがよさそうだ。その者の放つオーラは我々の上位ニャンジャーに匹敵する。恐るべき戦士なのだろう」


 ゴクっと生唾が飲み込まれる。

 そんなに緊張するところ?


「ならば某が一肌脱ごうではにゃいか。皆の者の心配を取り除くのも長の務めにゃん!」


 そう言いながら甲冑を脱ぎ去るニャンゾウさん。


 羞恥心はあるのか下履きは履いているが、問題はない。


 そしてブラッシングをしながらノミの除去をしていくと。

 まぁ出てくるわ出てくるわ、新たなゴミが。


 さっきの猫ちゃんズ、もといニャンジャーから稼いだスコア☆を湯水の様に溶かしながら徹底的にケアしてあげた。


 おおよそ30分のブラッシング後。


「これが、某にゃ?」


 甲冑によってカチカチに押し固まっていた毛並みが何ということでしょう、ふわっふわに大変身。


「それに、にゃんだこの体の高揚感は!」


「きっとそれが君の本来のスペックだよ。ロキもそうだけど、無理に自分の体に見合わないものをつけて戦うと戦力はダウンする。君はきっと守るものを見つけたから守るための戦いをしていたんだろうね。それはきっと辛く苦しい道のりだった。でも守らずに戦っていたなら、君は今以上に強くなれる」


「皮肉かにゃん?」


 僕の腕の中で不機嫌そうに目を瞑るニャンゾウさん。


 ルテインさんの前世、キッカ姫の護衛として抜擢された彼の苦労は生まれて間もない僕に推しはかることなどできない。


 けれど、戦い方については一家言あるつもりだ。


「だったらうちのロキと戦ってみる? 言っておくけどこの子は強いよ?」


「ほほう、どちらが次のお世話権をかけての勝負かにゃ?」


 すっかりお世話気に入っちゃったんだ。

 ちゃっかり権利を主張するようになっちゃって。


 こうしてニャンジャーの戦士VSうちの子達の試合が始まった。


 兄さん達はそれを観戦しながら自分達がどう対応するかも考えることにしたっぽい。



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