DV彼女と別れる決心をした僕と後悔する元カノ
みつき
もう僕のこと好きじゃないのかな
「ただいま~」
「お、おかえり。小雪」
同棲している彼女である堺小雪が仕事を終えて帰ってきた。
「ほら荷物持って。それとコートとマフラーと・・・」
「そ、そんなにたくさんもてないよ」
「はあ?ニートで、金を一銭も稼いだことがないあんたがなに私に口答えしているわけ?こっちはあんたの分まで仕事して稼いでるのよ。疲れている私をあんたが労うのは当然でしょ」
「・・・・うん。ごめんね」
「謝るくらいなら最初っからいうことききなさいよ」
そう言うと小雪は荷物をすべて僕に預け玄関を後にした。
・・・・・・・・・
「ちょっと、あんたこっち来なさい。」
風呂から上がった小雪に呼び止められた。
彼女はつかつかと速足でぼくのほうまで向かってきて、、、
「ふん!」
思いっきり僕のお腹を殴ってきた。
「うっげほっげほ」
お腹を殴られた衝撃で胃の中のものがひっくり返りそうになった。
「シャンプーが切れてたんだけど?なんで詰め替えておかないの?今日一日何をしていたの?ニートで私に養われているゴミが!私の役に立たないでどうするのよっ!」
それから約十分間僕は罵声とともに暴力を受けた。
ああ、またいつものか。・・・・痛いよ、やめてよ。
僕は昔に小雪が言ってくれた言葉を思い出す。
まだ付き合っていないころ
「イラストレーター目指してるの?大丈夫!君なら絶対になれるよ!だって君絵うまいもん!私が保証してあげる!」
告白を受けてくれたときも
「ほ、本当に私が君の彼女になってもいいの?・・・嬉しい!大好きだよ刹那!」
僕が夢を追いかけて就職をせず住む当てがなかったときも
「大丈夫。今日からここが刹那の家だよ。いくらでもここにいていいからね!私は君の夢が叶ったその先もずっと隣にいるからね!愛してるよ刹那」
思い出してきたら涙が出てきそうだ。あれ?最後に小雪に名前で呼んでもらったのっていつだっけ・・・でも僕はまだ小雪が好きだし、小雪も僕を家から追い出さないってことはまだ希望が・・
そんなとき不意に小雪は言った
「あーあ。なんでこんなゴミと付き合ったのかな。馬鹿だなー私。こんなことなら神楽先輩と付き合えばよかったなー。」
「え・・」
「えじゃないでしょ笑だって神楽先輩って若くして役職もっててイケメンで高身長、あんたなんか比べ物にすること自体がおこがましいくらいよ」
「あんたは所詮ニート。ごみよごみ」
「に、ニートなんかじゃ・・」
「あーあーうるさい。たしかあんたの夢イラストレーターだっけ?で?いくら稼げてるの?ちゃんと売れてるの?」
「・・・・・・」
「ほらね。やってることはニートと変わらないわよ。じゃおやすみ私は明日も仕事だから寝るわ。ニートのあんたはちゃんと私にために尽くしなさいよ。次同じようなことがあったら``ただ``じゃおかないわよ。」
「・・・・はい。」
小雪は寝室まで向かっていった。
さっき小雪にいわれた言葉が僕の頭の中でずっと反芻している。
「もう小雪にとって僕は穀潰しのゴミ、、ニートってことか」
気づけば僕の頬には涙が流れていた。
・・・・・・・・・
このまま一緒では僕も小雪もいいことなんかない。
「別れよう。」
小雪にとっては僕がいなくなることが何よりの幸せだろう
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