1人目 桜木雪 始め

俺は冬に生まれたからせつと名づけられたらしい

苗字が桜木のため、よく季節感ない名前と言われていた

俺には父親はいない。母が高校生の時に妊娠したことを知ると責任を取らず一緒になることを拒んだ


そして母は俺を下ろすのは違うと産むことを決めた

俺の親ながら大したものだと思う

そんな肝が据わった母は俺が中学の時にどっかの誰かに車でかれて死んだ

俺の眼の前で、だ


クソッタレの世界だな、と思った。父親はクズ、そして善人の母を殺す世界

クソ以外の何者でもない


そして俺は当然のように母親を殺した相手を憎んだ。憎むしかなかった


その「誰か」が起こした事故は母の信号無視として処理された

そして俺には足元を見たと言わんばかりの額の金だけをよこした


まぁ、復讐するべき相手だと思うししないといけない相手だと思った

人を殺しておいて謝罪も何もなしで、当然かのように事実の隠蔽


復讐しない理由を見つける方が難しかった

そして持ってるツテ全部を使い復讐することにした


事故として処理されたため、ネットやテレビには情報があふれるほどあった


轢いた相手は高校3年生

どこぞの財閥のお偉いさんの子供

住んでいる場所は秦野市内


事故として処理された理由は「お偉いさんの子供だから」だろう


復讐の相手を、特定するには十分な情報


その人を殺しても罪にならない、自分が全ての都合のいい世界を終わらせてやる

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