航空機1機で戦艦やれるなら苦労しねぇわクソ!!

デルタイオン

第1話 戦艦こそ最強!!艦載機なんていくらあっても落とすんだよ!!

光聖暦284XX年2月4日。8時34分54秒。一つの銃声が鳴り響いた。


それを機にd803aic宙域は戦争が始まった。


2つの巨大軍事商業企業による大規模戦闘【以下戦争】は理由は定かではないがどちらかの営業に多大な損失が発生した事が理由の一つとされている。そうして始まったこの戦争は国家を巻き込み企業国家同士による戦争となった。そんな戦争の最中生み出されたのがホムンクルス等の人工生命体【E87】である。


この人工生命体により人的損害は無くなり、現在は【平和な戦争】として歴史に名を刻み始めている。


しかし、その平和な戦争の歴史の中に少し不可解な点がある。私はその不可解な点は人間によるものだと考えている。


そうなるとこれは平和ではなく【悲劇な戦争】となる事実である。これでもし途中で本の連載が無くなったとなった場合。焚書となった場合、今読んでいる貴方は逃げなくてはならない。その覚悟を決めたのなら、私の調査した【バラロバビロニア】を……本当の真実を知ってほしい。





ならば問おう、バベルの塔よ。天界へ招き入れた悪魔は何者だったのかを……





***





128g58。128番目のポットから産まれたホムンクルスとして俺は転生した。あまりにもクソ過ぎる環境。人ではないものに転生した嫌悪感。なにもかもがストレスになっていた時に理解した俺の仕事。


それは、兵器を操って見世物小屋の戦争をしろというもの。勝ち負けの薄い戦い。


笑うしかなかった。こんな戦争をしてなんになるのかと。いや、楽しいんだろう。カメラの向こう側に居る企業の社長共は笑って愉しんでいるのだろう。さぞ優越に浸っておられるのだろう。この無駄金払いの豚共が!!便座の裏に張り付いてるクソくらい無駄に臭い匂いを垂らしてやがる。


本当に最悪だ。今宝くじでも買ったら金を貰うどころか俺は借金を背負うだろう。そのくらいの不幸を感じている。


「はあ……戦艦が恋しい。戦艦なら撃ってるだけでバリアがなんでも防いでくれるんだろ?楽に生きて帰れるじゃねぇか……」


とは言ったものの今さら戦艦に乗ろうなどとは思わない。最近自分がやってる事でちょっと乗ろうなんて気持ちが薄れてきたのだ。


「単純作業の繰り返し。でも失敗すれば死が待ち受ける戦場……本当の地獄だよここは……」


地獄より地獄とはまさにこのこと。1度死を味わってる分もう1度味わおうなどとは思わない。なんとしてでも生きていたいと逆に決意したぐらいだ。


「今日も生きて帰るぞ909番隊」


『了解』『はい』『了解です』『わかりました』


空間ポップアップされた部隊の機内画像リストを縮小し画面左上に移動させる。心臓も問題なく鼓動しており血圧も正常。なにも問題は無い。


惑星降下作戦となる今回のお遊びだが、長期戦が予定されている。まあそりゃそうだろうなぁとは思ってはいるが、先遣隊として発つので心労が溜まっている。


「しかし、装備は前よりも贅沢だ。これならば生き残れる可能性も少なくはない」


今までの戦績により装備は贅沢なものとなっている。先遣隊としてやることだけやって生き残っていかなくてはならない。


まあとはいえ一番死傷率の高い最初の戦闘だ。仲間を犠牲にする覚悟を決めなくてはならない。


【降下15秒前】


「各自降下姿勢開始。舌は噛むなよ」


圧迫され座席に固定され降下を待つ。フリーフォールはいつぶりだろうと記憶を掘り返すもほぼ必死に生きようとしていて上手く掘り返す事ができなかった。


記憶を忘れる事ができるのは人間の特権だ。俺もそれができるのだからホムンクルスではなく人間であっても良いのではなかろうか?人権欲しいです。


【降下】


「あっ」


そうこう考えていると勢いよく降下が始まり、内蔵が浮くのがわかるくらいGが体を襲う。


部隊のホムンクルスもかなり苦痛の表情を浮かべている。ここは少し面白おかしくしてやらないとかな……


「イヤッフゥゥゥ!!」


『『『『!!?!?』』』』


楽しんでるように叫んだら本当に楽しく感じてきた。部隊の緊張も自分の緊張もほぐれて一石二鳥だ!!


イヤッフゥゥゥ!!

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