第20話
「おめでとーう!」
そんな言葉と共に俺を迎え入れた女神ルセリア様。
「えっと、ありがとうございます?」
「お、今日はお礼を言えて偉いねー。
ユニスに取り立てさせたかいがあったかな?」
「ちょっと!余計な情報は与えちゃだめよ!」
「あー、はい。お二人の司るものは調べましたので大体何が言いたいかわかりましたよ。
父さんと母さんにじいちゃん、それにセリアも。そういうことですよね?」
「ほら…。
まあそれは貴方が不敬な視線を向けた上でまったく喋らないからよ。
仕方ないわよねぇ?
まぁ?祖父は貴方がスキルを使えば助けられたかもしれないのだけれど。」
「………。」
ばれない程度の恨みがましい視線を女神ユニスにむけつつ呼び出された用件を聞かなくてはとグッとこらえる。
「ユニスその辺にしてよ。
あんたのそういうとこ気分悪いわ。」
おっとルセリア様も流石に気分を害したみたいでユニス様焦ってら。
「おほん。
えっと、今日呼び出した件だけどね。君に転生特典としてまずはあたしから発表がありまーす。パチパチパチ―」
がっくり項垂れているユニス様を尻目にルセリア様が自分で言って自分で盛り上げている。
女神もパチパチとか自分で言うんだなと益体もないことを考えつつ拍手をする。
「おー君ノリよくなったねー!関心関心♪
で、その転生特典なんだけどね、君もう手にいれちゃってるから♪
パオラちゃん、彼女がそうだよ!大切にしてあげてね?」
「えっえぇぇぇええええええ!!!?」
驚きの声を上げる俺にどっきり大成功といった感じで笑うルセリア様。
いたずらも司ってないかこの女神様…
「っは、私からの転生特典とはまだ出会ってないみたいね。
一応私からも人族の女の子を特典として贈るわ。
貴方の働きや心がけ、信仰ぶりによってはまた支給されることもあるかもしれないからこれからも励むように。」
「うんうん。
あ、そうそう黒いものって呼んでるみたいだけどあれ星の汚れだから。
多分あと60年位でその汚れが地上を覆いつくすと思うんだよね。
だからそれまでに今の戦争をやめさせるか地上全てを洗い流すかした方がいいと思うよー」
「60…?!わ、わかりました。要はノアの箱舟的なの作って選別しろってことですよね…?
その場合って宇宙に脱出でもアリなのですか?」
「お、いいところに目を付けたねー。
前回の時も宇宙に逃げてたから今回もそうした方がいいと思うよ。
ちなみに前回の時は確かノア?とかいうじいさんだったかな?
ま、タイミングであたしたちから声かけるよー!」
「アッハイ。
ところで女神様つかぬことを聞いてもよろしいでしょうか。」
「質問によるけど答えられる範囲でならいいよ!」
「女神様達では洗い流すことはできないのですか?」
「……出来るよ。
出来るけど、こっちでやったら選別できないから全て全滅するよ?
君がどうしても無理だって言ったらその時はあたしがやるからね?」
「す、すみませんでした!」
蔑むような目でこちらを睥睨する女神様。
咄嗟に土下座をして許しを請う。
「あは☆
やだなー!あくまでも最終手段だよー!
だから、頑張ってねー!ユニス、いくよ。」
「誠心誠意頑張らせていただきます!ありがとうございました!」
こうして2度目の女神たちとの遭遇は終わった。
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