クリスマスコンサート

坂中祐介

第1話

2023年12月24日。

 今日は、クリスマスだ。

 最近、地球の気候が変だ。夏の暑さは、異常だったし、冬の寒さもおかしい。そして、ビル風は、ますますひどく、ダイスケの会社の同僚の何人かは、風邪を引いたり、インフルエンザにかかった。

 2023年になって、新型肺炎コロナウイルス感染症が、収束して、マスク着用をしなくて済んだ。しかし、ウクライナの戦争やらイスラエルの戦争で、物価上昇になった。

 スマホの料金やらアパートの家賃も値上がりしている。

 最近では、居酒屋でお酒を飲もうとしても、値上がり。

 だから、ダイスケは、最近、居酒屋へ行っていない。

 ダイスケは、大学生の時、ダンスサークルにいた。

 母親が、バレエスクールの講師だったため、踊りは得意だった。

 ダイスケは、バレエの簡単なプリエ、グランジュテやらアラベスクのポーズは知っているし。昔、女の子に交じって、バレエの発表会に出たことはあった。

 だが、中学生になってそんな自分が恥ずかしくなって、ダイスケは、中学・高校時代と野球をしていたが、大学生のとき、その時、交際をしていた彼女、ジュンコと一緒にダンスサークルに入った。

 しかし、ダイスケは、浮気をして、ジュンコに捨てれた。

 そして、今は、40代になっている。

 40代後半になったダイスケは、今も東京都心の食品メーカーに勤務しているが、もう、この年齢になると、さすがに、彼女がいたのに、アダルトサイトで、オナニーをするのが、嫌になっていた。

 今日、会社の後輩、20代後半のヨシカと横浜の遊園地に来ている。

 朝、京急快特で、品川駅から横浜駅まで来て、そこからJRでここの遊園地に来た。

 気温は、10度にもならない。

 クリスマスの今日、ダイスケは、ヨシカとデートに来た。

 本当は、ダイスケは、バッティングセンターで、遊びたかったのだが、ヨシカが、「今日は、彼女もいないから、横浜の遊園地に行こう」と言われて、ここまで来た。

 いや、ダイスケは、ヨシカと付き合いをしたのは、会社のイベントで、出張サービスが、あった。

 それで、東京の町田市のショッピングモールで、物産展があったのだが、そこで「やっぱりおいしい新潟県のお米」なんて売り出していた。

 業績は悪いのだが、その物産展で、ダイスケは、ヨシカと一緒になって、勧誘をした。

 売上は、なかったのだが、それでも、ダイスケは、ヨシカが、くしゃみをして、鼻水を受け止めた。

 本当ならば「汚いじゃないか」と言えば良いのだが、何故か、バレエスクールの女の子やジュンコのことを思い出すと言えなかった。

 ヨシカは、指原莉乃に似ている。

 目元や唇の形が似ている。

 ヨシカは、仕事はできないが、そんな度量の広いダイスケと付き合うことになった。

 ヨシカは、本当は「ダンサーって、凄いね」「私、EXILEのファンなんだ」と言っていた。その時、EXILEに、ダイスケは嫉妬した。

「ダイスケ」

「何?」

「今日は、いっぱい、乗り物に乗ったね」

「うん」

 と言った。

 ジェットコースターでは、もう死にそうだった。

 そして、思わず、ダイスケは「お母さん、ごめん」と言った。もう、回転するジェットコースターなんて嫌だと思った。

 コーヒーカップも乗ったし、メリーゴーランドも乗った。

 二人で、写真も撮った。

 園内もくまなく歩いた。

「いや、楽しかったね」と言った。

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