第四話  アリアドネーの草原

side 澪


 先生と別れた後、私達は手を繋いで最初にいた広場まで戻ってきたのです。

 今もこのゲームに参加する人たちが続々と出現していて、比較的小柄な私達がギリギリ通れるくらいまで人でごった返していました。

 どこかの本でみた、インドの露店市ろてんいちみたいなのです。

 「どこにいけばいいのです?」

 身長が低いせいで何も見えないのです!

 「よし、空いてるところを通っていけばどっか出られるのです!」

 そうと決まればレッツゴーなのです。



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【エリア到達:アリアドネーの草原】

 しばらく歩いていると、町の関所らしきところまで着いて、そこで門番をしていた兵士さんから日が沈むまでに帰ってこい云々うんぬんの注意を聞いた後、私達はアリアドネーの平原というところまでやってくることができたのです。

 「すっごくきれいなのです……」

 明るくて、でも目が安らぎを認識できるような優しい色の草原が視界いっぱいに広がっているのです。

 いたるところでプレイヤーの人達がオオカミと戦っているのが見えるのです。

 黒い毛並みが走った時になびいていて、凄くきれいなのです……。

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 name 黒狼こくろう Lv.3

 一般的なオオカミ。モフモフ。

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 モフモフと戦いたくないのです……でも、やってみないと進まないっぽいので戦うのです。

 弓が引けないので、手つなぎから背中合わせに変えてから、先制攻撃はこれなのです!

 「重弓ヘヴィショット」 「初歩的な楽奏スタンダードプレイ

 遠距離から不意打ちするのです。

 楽奏は自分の楽器(私達はハープだったのです)を鳴らすことで威力アップの恩恵があるそうなのです。

 重弓ヘヴィショットの効果も重なって強化された一矢は狙いあやまたずオオカミさんの頭のてっぺんに突き刺さったのです。

 —―――――死ぬとキラキラした粒になって消えるみたいなのです。

 すごくきれいなのです。

 (経験値3を獲得しました)

 (オオカミ肉:一般を手に入れましたインベントリに保管します)

 この経験値がレベルを上げるために大事なのです?

 「先生がそう言っていたね」

 ならそうなのです。

 「……!。リン、後ろ」

 弦から手を放して手を繋ぎなおして同時にジャンプ。

私が弓の持ち手を掴んでレイが弦に矢をつがえて――――――

 「「重弓ヘヴィショット!!」」

 (経験値3を獲得しました)

 (オオカミ肉:一般を手に入れましたインベントリに保管します)

 真下から降り注ぐオオカミさんのキラキラを浴びながら着地なのです。

 「「……いえーい」」

 レイとハイタッチなのです。

 やっぱりレイは最高なのです!











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 基本的に双子は手を繋いで行動しています。

 そして行動も大体同じなので「玲の考え・行動≒澪の考え・行動」になっています。

  


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