第29話 映画ドラえもんを観て

 ご無沙汰してます。久しぶりにエッセイを書きます。KAC2024が終わりました。参加された皆さん、お疲れ様でした。藤光は疲れました(笑)わたしは全部で8つ書きましたが、もう少しいいアイデアが出せたらよかったのになあと思ってます。物語を作る瞬発力を鍛えて来年のKACを待ちたいと思います!


 さて、エッセイに書くネタがないので、最近あったことを思い出して書いてみると……ドラえもんの映画を観てきました。『のび太の地球交響曲ちきゅうシンフォニー』。この春、小学6年生になる息子が観たいというので連れていったのですが、イマイチかな〜という感想。音楽をエネルギーとして栄えた地球外文明の力を借りて、のび太とドラえもんたち、いつもの5人組が、《ノイズ》と呼ばれる邪悪な存在から地球を守る――というストーリーなのですが……。


 おもしろくなくはない。冒頭に張られた伏線がきれいに回収され、なるほどと思わせる構成も持っている。丁寧に作ってあるのもよく分かる。ただ、この映画の製作者がこのアイデアとストーリーに惚れ込み、おもしろがって作っているのかというと……どうもそうでないような気がしてなりませんでした。


 ポリコレというわけでもないのですが、この映画は「子どもに安心して観せられるアニメ」としての枠を一歩も踏み外しておらず、そこが物足りないですね。


 子どもが夢中になることって、大人が思わず眉をひそめてしまうようなことが多いでしょ? たとえば、母親と決めたゲームで遊ぶ時間を超えてゲームし続けるうちの息子とか。子どもにとって楽しいことは、大人にとってはあまり好ましくないことだったりするけれど、夢中になれるものってそういうものじゃないですか。


 それがドラえもん映画の場合、コンプライアンスを守ってますのお手本のようなアニメになってしまっていて、それがつまらないとまでは言いませんが、おもしろさを損なっているような気がしました。


 で、これは創作全般にも同じようなことが言えるのかなと。小説も文章が上手だってことだけでは面白い小説にはならなくて、面白くなるポイントで小説の当たり前を踏み外していないと、おもしろい作品になりにくいんだなと思いました。具体的にどうすればいいのかはよくわかりませんが……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る