黒の断罪者〜異世界に転生し魔王幹部になった俺は平和を求め世界を変える〜
るあん
第1話 転生そして再転生の危機!?
「貴様は何者だ」
今俺は見たこともないまるで幻想的、ではないがとにかく広い草原になぜか立っている。
その上、明らかにやばそうな人達が6人も目の前に並んでこちらを見ているのだ。
さてどうして俺がこうなってしまっているのかは大体検討がつく。
特に何の才があるわけでもないのに正義感は人一倍な俺がヤンキーに絡まれていた子を助けようとした時横から走行してきた車に轢かれたのだ。
正直納得が行かない。
どこを見てたら俺を轢けるのだろうか。
だけど轢かれた俺を見てヤンキー達は情けない悲鳴をあげて逃げていたからとりあえずよかったと思っている。
話しは最初に戻るが死んでそして変な世界にいる…つまりはここは異世界というやつだろう。
そうに違いない。
だが早速再転生の危機に陥っている。
「貴方サンドリーヌ様の問に答えないなんて無礼よ」
ピンク色の様な髪色でお嬢様の様な服装の女の子が色々と言ってきているがもしかしたら無視し続ければ呆れてどこかに行ってくれるかもしれないのでとりあえずは無視をしてみる。
「小僧、根性のない奴は嫌いだ。何か言え」
とんでもなく筋肉がすごい筋肉質の塊に声をかけられてしまった。
やはり無視してやり過ごすのは無理だ。
とりあえずどうにかして切り抜けなければならない。
「な、何か用ですか」
こういう時は低姿勢に行くことが重要である。
「貴方、頭が高いわね。敵国の人間だけれど特別に教えてあげるわ。サンドリーヌ様の前では地面にひれ伏せるのよ」
サンドリーヌ様が誰だかわからないがそれよりもなぜ俺は敵国の人間だと思われてるんだ。
どう見てもただの高校生だろ。
「敵国の人間ってどういうことですか」
「馬鹿なの?」
何なんだよこいつは。
「俺は…!!」
「貴様、何をする気だ」
この人は何に警戒しているんだ。
「サンドリーヌ様、この小僧は危険かもしれない。離れといてくれ」
「わかった」
この黒髪の女性がどうやらサンドリーヌ様とやらのようだ。
「小僧、ここは敵国が来ていい場所じゃねぇぞ。そして今ここに来ているということはそういうことだ」
うん、どういうことだ?
この人達が言いたいことがさっぱり見えてこない。
「さらばだ、小僧。楽に死なせてやる」
すると筋肉質の塊はこちらに大きな斧みたいな物を振り回しながら近づいてくる。
おいおい嘘だろ。
なんで俺は人生二度目の死を迎えなくちゃならないんだ。
「行くぞ!!!!」
筋肉質の塊は俺に向かって武器を振り下ろしてくる。
その勢いにはもはや楽に死なせる気など全くなかった。
さようなら異世界の俺。
そして俺は目を瞑った。
一瞬くそ短い異世界の走馬灯が流れた俺だったが何故か痛みを感じなかった。
前世でも体験したからわかることなのだが死んだときは痛みを感じないのだ。
これは神様のお優しい施しなのだろうか。
そんなことを思いながら俺は瞑った目を開いた。
するとそこには衝撃的な光景があった。
筋肉質の塊の武器は俺に当たりそうで当たらないギリギリのところで止まっていた。
もしかしてこの筋肉が情を…!?
「ロバン、何をしてるのよ」
「違う…違うんだ。俺の武器がこれ以上進まねぇんだよ」
「そんなことあるはずがないでしょ!」
筋肉質の塊はもう一度武器を振りかぶりまた振り下ろす。
だがそれでも俺には当たることはなかった。
「ロバンの力を防げるほどの物理攻撃無効を持っているということですか。敵国にこれほどの者が居たとは。私共の調査が甘かったということでしょう」
スラッとしていて背の高い眼鏡をかけた男が何やら解説をしてくれた。
解説をしてくれたのは有り難いが俺にも自分に何が起こっているのかよくわからない。
「ならこれでやるしかねぇな」
筋肉質の塊は俺の首を強い力で掴み持ち上げた。
「楽に死なせてやれなくて悪いな。許せ」
いや最初から楽に殺す気なかったろ。
そんなことを思っている俺だが息が少しずつ出来なくなって来ている。 苦しい。
激しく抵抗するが筋肉質の塊の力は凄まじく緩むことすらなかった。
このままじゃまずい。
俺は最後の抵抗で筋肉質の塊の顔を掴んだ。
それでどうなるのかといわれると答えられないが少しでもダメージを与えればなんとかなるかもしれないと思ったのだ。
意識が遠のいて行く。
二度目の異世界さようなら。
その時黒い何かが筋肉質の塊は吹き飛ばしていった。
そして筋肉質の塊は倒れ込んだ。
「今のは…!!?」
俺は今何をしたんだ。
魔法を使ったのか。いや他に誰かがやったのか。
「敵国めこのような戦力を保持していたとはな。私は少し甘く見ていたのかもしれない」
「さっきから敵国って何ですか!!」
俺は何度も敵国と言われるので再度聞いてしまった。
「敵国は私達と敵対する国の事だ」
確かにそうなんだけど、そうじゃないんだよ。
「俺はただここに迷って来てしまっただけなんだ」
「それは本当なのか」
「もちろんです」
もしかしたらこのまま危機を乗り越えられるかもしれない。
「サンドリーヌ様、簡単に信じ込むのは良くないと思います」
「そ、そうだな。貴様、敵国ではないことを証明せよ」
そんなこと出来るわけがないだろ。
そもそも俺はいきなりこのよくわからないとこに来たんだぞ。
すると眼鏡の人が指で眼鏡をクイッとして話しだした。
「サンドリーヌ様。証明でしたらこの者もこれから行く場所に連れて行ってはどうでしょうか。先程のロバンを飛ばした事から相応の魔法を会得している事が考えられます。それに戦力は多いことに越したことはないでしょう」
少しの沈黙があったあとサンドリーヌ様とやらが口を開いた。
「わかった。貴様、私についてこい。そしてそこで証明せよ」
俺はその提案に文句をつけることもなく即答で返事をした。
助かるならそれでいい。
もう死ぬのはごめんだ。
「では行くぞ」
こうして異世界に転生した俺は明らかに強そうな6人と共にどこかへと向かうのだった。
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