平和には進まない交流会
第二陣対策メンバー達が居る部屋に入る。部屋の中には結構な人数が居た。50人以上は居る。
それを一目見た瞬間もう俺は嬉しい気持ちでいっぱいになった。これだけ居れば少しは楽できる様になると思ったから。
第二陣の者達が俺達に注目している。依澤会長が俺達の前まで移動し俺達の紹介をする。
「君達第二陣の先輩である第一陣の先輩達だ。第一陣は私を含めて8人だけで活動していた。そしてこの一ヶ月の間に1人90個程の気まぐれダンジョンを攻略している。
何か分からない事があったら私達第一陣の者に聞く様に。」
そう依澤会長が言うと1人の男が手を挙げて前に出てくる。
「それは本当なのでしょうか?1人3回の攻略なんてできないでしょう。」
そう言った後、突然俺を指差す。
「後、なぜこの場にスキルなしが居るのでしょうか?まさかこのスキルなしが対策メンバーの1人とか言うのですか?
依澤会長。こいつスキルなしですよ。こんなスキルなしに気まぐれダンジョンなんか攻略出来ません。
どうせこのスキルなしは警察や自衛隊にでも攻略を任せたのでしょう。
いつまで居るのですかスキルなし。さっさと出ていって…いや、冒険者免許も返納しなさい。
どうせ不正して冒険者免許を取ったのでしょう。スキルなしに冒険者免許は過ぎたものです。」
そう言うと第二陣の方から「そうだそうだ!」や「出ていけスキルなし!」なんて罵詈雑言が聞こえる。
俺はこう言う事に慣れているのでなんとも無いが、他の第一陣のメンバー達は俺の実績と強さを知っているし、空いた時間に何度も交流して互いに友好関係も深めていたので表情に出していないが俺と言う仲間を貶された事で怒っている。そしてそれは依澤会長も同じで…。
「そうかそうか、君は冒険者協会会長である私の目が節穴と言いたいのだな。
それにスキルありなしで差別する様な者が冒険者になれるなんて、私達冒険者協会のとんでもない失態だよ。これからはスキル関係で差別するかどうかも質問にしなくちゃね。」
そう嘆きながらスマホを操作している。すると俺達が入ってきたドアが開いて黒服達が何人も入ってくる。そして好き勝手言っていた男と罵詈雑言を言っていた男女が拘束されて冒険者免許を奪われる。その数は第二陣の半分を超えていた。拘束されていない人数を数えた方が早い。
「え…。よ、依澤会長?一体何を?
あ!それは僕の冒険者免許!返しなさい!」
「返さないよ。それと君達は面接からやり直しだ、頑張りたまえ。
君たちにはお帰りいただく。また会えたら会おう。黒服達、連れて行きなさい。」
好き勝手言っていた男と男女達は連れて行かれた。そしてそれを見送った依澤会長はまた話し出す。
「さて、改めておめでとう第二陣の者達よ。君達を私達対策メンバーは歓迎する。
トラブルはあったが交流会を始めようじゃ無いか。」
こうして1時間(こうしている間にも気まぐれダンジョンが出現し続けているので交流会が終わったら直ぐに攻略しに行かなくてはならない。)の交流会を楽しんだ。
ちなみに第二陣のメンバー数は50人以上から15人まで減った。
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