ボス部屋を超えて六階へとやってきた。

　そんな俺を出迎えてくれたのはゴブリン達。しかし先程のゴブリンとは違う。その違いの一つは棍棒を持っている事だ。

　チュートリアルのゴブリンは棍棒すら持っていない素手のゴブリンだったが六階から十階までのゴブリンは棍棒を持つ。

　それだけではなく石を投げると言う遠距離攻撃をしてくる様にもなった。

　それだけしか変わらないがそれだけでもチュートリアルをクリアした冒険者にとって充分な脅威になる。

　現に冒険者の死亡率が一番高いのはこの六階から十階である。俺も初めて六階に足を踏み入れた時はチュートリアルをクリアした事で気が大きくなり油断して怪我を負った。

　ゴブリンの数は三体。ゴブリン達は俺を殺そうと棍棒を構える。

　そんなゴブリン達に手裏剣を一つずつプレゼントしてあげる。その手裏剣はゴブリン達の心臓に刺さりゴブリン達は絶命する。

　本当に違いは武器を持っただけである。それ以外は何も変わらない。だから手裏剣一つで難なく殺せる。それにさえ気が付けば殺すのは楽になった。

　そうしながら順調にゴブリンを殺しながら進む。歯だけではなく棍棒も落としてくれる。今日は運がいい。今日は稼げる日だと確信する。

　ゴブリンを倒していると…

「キャアアアアァァ！」

　と、奥の方で悲鳴が聞こえて来た。

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