聖夜の小さな物語

チェンカ☆1159

ファルナの宝物

少し昔、ファルナには友達が一人もいなかった。体があまりにも弱く外で遊ぶことができなかったからだ。

クリスマスの夜のこと、ファルナの父親は小さなスノードームを買ってきた。ツリーと家のミニチュア。その周りを、雪に見立てた白いラメが水中を舞う。

「わぁ、なんてきれいなの!」

その仕掛けに幼い彼女は夢中になった。


年月が経ち、ファルナは少し大人になった。体は病弱なままだったが、学校へ通えるようになり、友達も何人かできた。

今日は彼女の家でクリスマスパーティー。

「そのスノードーム素敵ですわね」

友達のステイミーが褒めてくれた。

「あっ、ありがとうございます」

ファルナは笑顔でお礼の言葉を述べてからこう続けた。

「わたくしのとっても大事な宝物なんです」

そう言って彼女はスノードームを見つめる。

中ではあの時と変わらずラメがキラキラと水中を舞っていた。

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