ウッドデッキ
手伝いを申し出て二人で草刈りを終えたぼくは、最強のエスパーの自宅のウッドデッキに設置された椅子に案内されて座ってから、改めて透明人間になってしまった彼女の捜索を願い出たら、最強のエスパーに、とてもゆったりした口調で言われたのだ。
君が彼女を透明人間にしているね。
「え?」
「君はとても強い力を持っている。自覚はないだろうけど。君はエスパーだよ」
「え?」
「姿も見えない。声も聞こえない。何も触れられない。何の匂いもしない。君が持っているエスパーの力で、君は君自身を透明人間にしているんだ」
「え?え?でも、ぼくは、生まれた時から。いえ。気づいた時には、透明人間で。彼女だけがぼくを見つけて。その。ぼくは、透明人間になる事を望んでいるわけじゃないと、思うんですけど。エスパーの力が暴走しているんですかね?」
自分がエスパーで、しかも、自分の力で透明人間になっている、彼女を透明人間にしていると言われたぼくは混乱しながら、優しいまなざしでゆったりと見つめている最強のエスパーに尋ねると、少し間をおいて、最強のエスパーは言った。
その通り。だから、彼女を透明人間から有明人間にするためにも、そのエスパーの力を制御する修行をしようか。
(2023.12.23)
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