>>国際交流同好会

ここは何するところなんだろう、というのが率直な印象だった。国際交流。

そういえば小学生の頃、同級生にベトナム人のナムくんという子がいた。

ナムくんは日本語も英語もうまく喋れなかったがサッカーが上手く、オレはなんとなく適当にそれっぽい事を喋り身振り手振りで伝え、それでナムくんもなんとなく分かってくれたようだった。

かくして地区ごとに作られていたサッカーチームリーグ(私設)でオレたちのチームにナムくんが参加してくれ、オレは強力なフォワードの引き抜きに成功した男として讃えられたのだった。


「そういうのが国際交流って事であってる?」

「さあ……あってんじゃない」


タカハシですら国際交流同好会が何をしているのかよく知らないらしいが、教師陣が入会希望者をしきりに探しているそうだ。そういえばオレもホームルームでそんな話を聞いた気がする。なんでも今年から新しく作られた会らしい。

プリントに書かれた活動場所に向かってみたが、空き教室だらけで一体どこなのだかさっぱりわからない。タカハシが追加で手渡ししてくれた校内の各教室見取り図と照らし合わせてやっとそれらしき場所を特定したが、そこが国際交流同好会が使用する部屋であることを示すものはなにもなく、廊下に面した窓ガラスは内側から鼠色のカーテンに閉ざされている。


「すみませーん。国際交流同好会を見学したいんですけど~」

引き戸に手をかけると、思いのほかすんなりと開いた。外にまったく気配が漏れていなかったにも関わらず、部屋の中には先客がいた。


「うっわ!!びっくりした!!いたのかよ!!」

「……」


全体的にほっそりとした男だった。露骨に眉間にしわを寄せ、切れ長の目をさらに細くして、鬱陶しそうな表情を隠そうともしない。

纏う雰囲気はどこか大人びていて、これが噂の奴だと直感で分かった。

周 宇航(チョウ・ユーハン)。この学校唯一の留学生で、国際交流同好会唯一のメンバーでもある。


「おまえ何」

「あのー、今入る部活を探してましてー、どんなことしてるのか見させてもらえないですかね」


周は2年生なのでオレより学年がひとつ上だ、一応敬語を使っておいたほうがいいだろう。

部屋の壁面には古びて色褪せた万国旗が並んでいる。書棚には色々な国の文化に関する本が並んでいるが、どれも埃をかぶっている。

元々歴史自体は長く活動しているらしいが、年々在籍メンバーが減りついに去年、部活から同好会に格下げとなったらしい。


「見ることない。することもない。帰れ」

「いや、流石に何もないわけないっすよね!?今だってなんか古い写真の整理みたいなことしてるじゃないですか」

「……違う。」


なにか思いつめたようにつぶやくと、周はさっきまで手にしていた写真たちをみんなまとめて古い菓子缶に放り込み、そのままスチール棚にしまい込んだ。

さっきまで座っていたから分からなかったが、背丈はオレと同じぐらいで、それなのに腰の位置は向こうのほうが高い。うーん、足が長くてうらやましい。


「いつまでそこにいる。ワタシ、帰れ、言ってる」

「いやー、あのー、なんか生徒会にいる奴から聞いたんですけどね。この部活って、」

「部活じゃない」

「失礼しました、同好会っすね。この国際交流同好会の活動内容のひとつに、いろんな国のうまい飯を作ってみるってのがあるって聞いたんですけど」


教室を出る直前、タカハシが思い出したように添えてくれた情報だ。

中華料理、タイ料理、ベトナム料理の本格的なレシピを再現する活動は他部の生徒の目を引いていたらしい。ベトナム料理といえば、ナムくんのお母さんが出してくれた焼きバナナを思い出す。シンプルなようでいて奥深い甘さが子供の頃のオレには衝撃だった。またあんな味に出会ってみたい。


「……昔はやってた。今食べる人いないからしない。ワタシも自分の国の料理しか知らない」

「いや、だからオレ入りたいんですって。そんで作ってくださいよ、本格的な中華料理。国際交流しましょうよ。オレはおにぎりとか作るんで、周さんは天津飯作ってください」

「おにぎりいらない。簡単すぎ。それに天津飯は中華料理ちがう」


そうなのか。知らなかった……近所の中華料理屋では一番の人気メニューなのに。


「…ふん。おまえ変」

しかめっ面はさっきから相変わらずだけど、どこか和らいだようにも見える。

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