女体像は初雪でつくるべし

女体像は初雪でつくるべし

中学生の性への原動力は凄まじい。それ故に多くの男子がたくさんの失敗や黒歴史を築いてきている。

今回は私の幼少期に圧倒的な性欲によって、多くの代償と引き換えに奇跡の芸術を誕生させた話をする。

私の幼少期は既にインターネットが普及している時代で、小中学生でも個人でインターネットにアクセスできる端末をもっているような状況だった。

そのため性の探求は加速度的に進み、中学生にして酷くアブノーマルな性癖へと目覚めるものが多数いた。

私と友人らのグループはその中でも最先端、性癖界のテスラとして名を馳せていた。

ネット通販を利用し、クリムゾン氏の作品を完全制覇。日夜エロ漫画表現の妙について語り合っていた。私は竜吉公主の「公主陵辱」がお気に入りである。

また海外のアダルトな掲示板などを徘徊するため、英語、ロシア語をアダルトな単語だけ完全に覚えることに成功していた。

（海外のサイトでも単語だけでお目当ての代物に辿り着けるよ）

そんな性的にトキメクものは何でも手に入れていた我々だが、唯一手に入らないものがあった。

リアルな性体験である。

どんなアブノーマルなプレイのやり方だって知っている我々だが、よくよく自分らを鑑みるとただの非モテのクソオタクであり、性的な体験を享受できる可能性は万が一にも無かった。

ネットの知識でどんどん頭でっかちになっていく我々は、これをアウトプットするためどんどん奇行に走っていった。

聖書を完全読破し、聖書のR18同人小説の作成。

給食の余ったチーズで『チーズ総受け』のアダルトモニュメントの作成。などなど

そして、この奇行の1つの集大成が生まれた日に悲劇が起きる。

私たちの住む街にその年初めての雪が降った日、初雪にしては中々の積雪量で町中に雪が積もった。

我々はいつも遊ぶ裏山に集まり、最初のうちは雪合戦をしたり、かき氷シロップをかけて食べたりと子供らしく遊んでいたのだが、だんだんいつものように性的な創作欲が溢れてきてしまった。

そして、欲望のままに桂ヒナギクのフィギュアを参考にしながら1/1スケールの女体像を作成した。当然全裸のものを。

雪という微細な加工をも可能にする素材によって、我々は夢に見た、リアルな完全なる裸の女性を作り上げることができた。

友人が謎に造形を得意としていて良かったと初めて思った瞬間であった。（その後、彼は美大を受験して落ちた）

ほぼ生きている女性とみなしてもよい完成度の雪像に我々は興奮を抑えられないでいた。撫でたり、顔を擦り付けたりと各々が自身の欲求を発散していた。

そんな時、1人が目を血走らせてこう言った

「なあ、この子、初雪で作ったから絶対処女だよな」

彼は天才だった。本当に気持ち悪い。

これ聞いた我々は全員で雄叫びをあげながら雪像の周りでマイムマイムをした。

みんな気持ち悪い。

初雪で処女の女体像をつくる。圧倒的な奇跡の芸術を誕生させた我々のボルテージは最高潮に達していた。

そしてその時、天才の彼は

「なあ、俺、初めては初めて同士がいいんだ」

と呟き、唐突に自分のナニを彼女に突き刺した。

興醒めである。

彼は芸術を分かっていない。天才とゴミカス野郎は裏表だった。我々は彼を非難し、硬めの雪玉を数発お見舞いしてやった。

すると彼は「痛い！痛い！」と叫びうずくまった。

そんな強くなげてないけどなあ、と思いながら彼の元に駆け寄ると、雪像が血に染まっている。全員が『え、雪玉で？』と思ったが、よく見ると彼の息子がひどい霜焼けで出血していたのであった。

あまりの凄惨な光景に我々はパニックになり、とりあえず家の近い私がオロナインを持ってきて、チューブの中身全部を彼の局部に塗布し、その日は解散となった。

奇しくも彼は処女の雪像に最悪の天才的なトッピングをしてしまったのである。

それはあまりにも生々しく気持ち悪いため全員で彼女を山のてっぺんに埋葬し、墓標として修学旅行で買った木刀を刺した。

1日で最高の芸術と最悪の芸術を誕生させ、頭がぐちゃぐちゃになった我々は、性的な創作意欲を完全に失い、当分はノーマルな作品しか見れなくなった。

どんな衝動の元で作られた作品でも、素晴らしい芸術になるポテンシャルはある。

しかし、最高の芸術のすぐ裏には最悪が潜んでいる。加減を間違えてはいけない。

ちなみに生殖器を痛めた彼は1週間後には元気にオンラインで買ったオナホールを見せびらかしにきた。中学生の性欲は無敵である。