【読書日記】「容疑者Xの献身」「嫌われる勇気」「NHK『100分de名著』ブックス 般若心経」

 1か月ぶりの更新です。

 先々月あたりは死ぬほど忙しかったのですが、今月に入って急に暇になりました。

 お盆休みもフルでとれるくらいには。

 Youtubeの編集し放題だぜ!






 東野 圭吾「容疑者Xの献身」


 東野圭吾さんの作品は有名すぎるのもあってかほとんど読んでこなかったんですよね。私の逆張り精神の良くないところが出てるかも。


 ミステリー好きを名乗るうえで流石に本作を読んでないのはよろしくないなと感じて読了。


 めちゃくちゃ面白いやないか!


 いわゆる倒叙ミステリと呼ばれるやつで、物語の冒頭から誰がどんな経緯で殺人を犯したのかが描かれる。

 そうなると、ミステリの楽しさなくなるじゃんと思っていたのですが、全くそんなことなくむしろドキドキ感が増す。


 天才同士の頭脳バトル要素も最高で、なにより良かったのは凡人である私のような読者にも十分理解できるという点。

 天才バトル系のジャンルって、トリックが難しすぎていまいち理解しきれないことがままあるんですよね(これは私の読解力がないだけですが…)


 その点、本作はちゃんと分かる!それでいて、天才さも損なわれていない。このバランス感覚はすさまじいですね。そりゃベストセラーになりますわ。


 まさにミステリ初心者のための一冊と断言できる。もっと早く読んでおくべきだった……






 岸見 一郎,古賀 史健「嫌われる勇気」


 みなさん自己啓発本ってどう思います?

 個人的には胡散臭かったり、説教臭かったりしてあんまり良い印象ではありません。

 と、そんな中会社の上司に「これええで」と勧められたので読んでみた。


 まず驚いたのが、本書が日本生まれということ。自己啓発本って大体海外、特にアメリカ生まれのものが多いので、てっきり有名なこの本もアメリカ生まれだとばかり思っていた。


 んで、本の形式もこれまた意外で、終始完全な対話形式。アドラー心理学マスターの「哲人」と悩み多き「青年」の会話だから、非常に分かりやすい。


 ただ、分かりやすいというのはあくまで言葉そのものの話で、語られる内容は咀嚼するのに時間がかかる難解さがある。

 矛盾してるようですけど、感覚としては矛盾してないんですよね。これ、読んだ人にはなんとなく分かってもらえる気がする。


 本書も他と同じく説教臭い自己啓発本だとばかり思っていたのですが、実際に読んでみると「アドラー心理学」のとっつきやすい入門書という印象。それでいて、アドラー心理学の本質的な部分までしっかり語られているから、入門書でありながらこれ一冊にアドラー心理学の大体のことが書かれている。


 ではなぜ本書が自己啓発本の文脈で語られることが多いかというと、そもそもアドラー心理学の思想が自己啓発的すぎるから。


「他人がどうあるかは関係ない。過去も未来も関係ない。いまこの瞬間のあなたの行動こそがすべてである」という思想は、私のような怠け者には中々厳しいストイックなものに映るけど、研鑽を積んでいこうという人にとってはこれ以上ないほどのバイブルになるんだと思う。


 会社の研修で「7つの習慣」というこれまた有名な自己啓発本を学んだのですけど、あの本の中でもアドラー心理学にかなり近いことが語られていた記憶がある。

 なので、ぶっちゃけ自己啓発本は読まなくても「嫌われる勇気」一冊読んでおけば、全ての自己啓発本で書かれている概念を網羅できる気もする。


 で、この本を読んで実際どう思ったのかと聞かれると、確かに人生の指針として何か大きな迷いがあったときは読み返したくなる力が間違いなくあると感じた。

 そもそも「生き方」というあまりに正解のない道において、本書は一つの正解を教えてくれるのだと思う。


 ……


 思うんだけど、それはそうとして「正しさ」では救われない人もいるんじゃないか?という気持ちもある。


 自己啓発本って基本的に明らかに正しいことが書かれていて、確かに正解を与えてくれる本という存在もすごく大事なんですけど、それと同じくらい正しくないことが書かれている本も大事だと思うんですよね。


 正しくないというのは何も科学的に不正確な陰謀論的な書籍のことではなくて、生っぽい人の営み的な感じというか(語彙力不足)


 そういった点で、小説は「正しさ」では救われない人を救う力があるのかな。と思った次第です。


 少なくとも、一度は読んでおいて損はない一冊でした。普段小説しか読まない人も一度読んでみてはいかがでしょうか?

 自己啓発チックな書籍を読むことで「小説」という媒体の魅力を俯瞰して把握できるようになるかもしれません。





 佐々木 閑「NHK『100分de名著』ブックス 般若心経」


 最近ちょっとずつ小説以外の本も読み始めているんですよね。

 近くの書店に「NHK『100分de名著』ブックス」シリーズなるものが陳列されていたので、手に取ってみた一冊。

 少し前の残業地獄で死生観が変わった(大げさ)私としては仏教の考えにすごく興味があったので、般若心経をチョイス。


 めっちゃ面白かった……!


 そもそも「般若心経って何?」「大乗仏教?なにそれ?」というレベルだったので、基礎的な概念から丁寧に分かりやすく解説してくれる。こんな本を探してんすよ!って感じ。


 みなさん、般若心経が何なのかって知ってます?

 ずっと、謎呪文としか認識していなかったのですが、当然文章である以上翻訳することができる。


 実際に何を言っているのか見てみると、「こんなこと言ってたのか!」と驚きと発見がありました。


 これまで呪文でしかなかった文字列に意味が付与されるという経験がなんかすごい気持ち良かったです。知識欲が満たされていく……

 ちなみに、般若心経は呪文である認識自体は結果的に正しかったというね。

 詳しく知りたい方はぜひ本書を読んでみてください。


 この年になって、知らないことを知るという行為の快感が分かってきた気がします。

 常々思うんですけど、勉強って絶対年取ってからやるべきですよね。

 10代そこらのキッズが勉強の楽しさ分かるわけないよ。そら。(自省の念も込めて)


 まあでも、テストで良い点を取ろうという意識がないからこそ楽しめるのであって、これでテストがあったら多分今回の読書も楽しめてなかっただろうから難しいところだ……


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