【読書日記】「「好き」を言語化する技術」「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」「小説家の作り方」
前回の更新から1か月も空いてしまいました……
本はそれなりに読めているのですが、なんせYoutube運営にドはまりしてしまいましてカクヨムをサボりがちになっています。
三宅 香帆
『「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』
珍しく新書を読んでみた。
こうして、読了本の感想やスコップレポート(最近全然できてないけど……)をしてる身としては、やっぱり上手な感想の書き方を知っておきたい。
新書ということで、小難しい内容を想像してたのですが、予想よりはるかに読みやすくてびっくりしました。
著者の方の文体も「書評家」ってよりは「Xにいる語彙力つよつよオタクレベル100」って感じで非常に親近感がわいた。
新しく学んだ部分も多々あるのですが、それよりもこれまで私が無意識に実践してきたことが書かれていて「自分のしてきたことは間違ってなかったんだ!」と少しうれしくなりました。
例えば、
“自分の感想を書く前に他人の感想を見るな!”
という教えだったり
“推しを語ることは自分を語ること”
という格言だったり。
「自分語りしたくなる作品はいい作品だ」という持論をこれまで唱えていたので、めちゃくちゃ共感してしまいました。
自分の感想に自信がない人や、もっと上手に推しを語りたいと思っている人は必読の一冊です!
花田菜々子
『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』
会社の同僚経由で知った本書。
ジャンル的には私小説?ノンフィクション?と言えばいいんですかね。
知らない人と会って少しだけお話するというコンセプトの奇妙な出会い系サイトに登録して、その人に本を薦めまくった女性の実話。
これまでずっと「ホンモノの本好き」へのあこがれがあったんですよね。小説以外にもエッセイやら図鑑やら新書やら、全てのジャンル関係なく本読んでまっせ、という人。
本作の著者はかなりそれに近い人で、知らない著者の知らない本が大量に作中に登場してゾクゾクした。
あと、サブカルへの憧れもあって、その点も著者は初期のヴィレバンに魅了されて実際に働いていたくらいだから、「こんな人になりてぇ」という気持ちしかなかった。
知らない人と出会うことや、他人に本を薦めるという行為の本質にも言及されているので、色々学びもある。
本を愛する人はぜひ一度読んでみてほしい一冊です!
野崎 まど
『小説家の作り方』
今年の本屋大賞にノミネートされた野崎まどさんの『小説』に魅了されて、すっかりファンになってしまった。
野崎まどさんの小説はこれで3冊目。
『小説』が小説を読むことをテーマにした作品なら本作は小説を書くことがテーマ。
野崎まどさんは小説への愛というか関心というかを本作が書かれた当時から『小説』が書かれた最近までずっと持ち続けていたんだろうなと感じた。
本作は結構エンタメに寄ってる分、「小説とは?」という問いへは『小説』の方がしっかり答えられていると思った。
けど、やっぱり読者を楽しませようという気概は他の作品とも共通してずっとあって、どんでん返しやら予想外の展開をしっかり入れてくれる。
露骨にラノベっぽさを出しているキャラクターとSFの合わせ技は野崎まど節って感じ。
それから“若い時の苦労はポイントのつく店で買え。"みたいなクスッとする文章がさらっと混ぜられているのも野崎まどさんらしい。
とりあえず野崎まど作品は『2』までのシリーズは全部読みたい。
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