しがない泥棒

エビハラ

第1話

 いやだなぁ、刑事さん。

 そんなに怖い顔しないでくださいよ。

 そうやって凄んだり脅したりしなくたって、私は全てを包み隠さずお話しします。

 そのつもりで、こうして自ら警察署まで出向いているんですから。ね?

 落ち着いてくださいって。

 そちらの白髪頭の刑事さんなら、今さら私が嘘なんて吐かないことは分かってらっしゃると思うのですが、いかがですか?

 ……ええ、そうですとも。できれば、温かいお茶を一杯いただけると嬉しいです。なんせ、これは長い話になりますから。

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