第32話:白樺派のカレーを作ってみよう
「白樺派のカレー」というのをご存知だろうか。千葉県
具体的なレシピは伝わっていないのだが、味付けに味噌を使うというのが特徴である。これは当時の白樺派と親交があったイギリス人陶芸家の発想とのことで、どういう経緯で思いついたのかも伝わっていないようだが、私が推測する限りではおそらくインドのダルカレー(豆カレー)にヒントを得たのだと思われる。
現在は町興しの一環として用いられ、一定の条件を満たしたレシピが「白樺派のカレー」として公認されている。とはいえ本格的に食文化史的な観点から再現したというわけではなく、「味噌を使う」「昔ながらのカレー粉を使う」「地元食材を使う」という、低めのハードルで運用されている模様である。
私も、自分なりに白樺派のカレーを作ってみた。
【白樺派のキーマカレー】
材料(2~3人前)
・ひき肉 100グラム(種類は好みで)
・玉ねぎ 中1個(約150グラム)
スパイス類
・カレー粉 大さじ1
・唐辛子粉 好みで
・おろししょうが 好みで
・おろしにんにく 好みで
調味料
・味噌 大さじ1~2(好みや種類による)
・ケチャップ 大さじ1
・ヨーグルト 大さじ2
・砂糖 大さじ1以下(味噌の味次第で調整)
玉ねぎは粗めのみじん切りにして、ラップをせずに電子レンジにかけ、大さじ1程度の油で炒める。全体的に透明感が出てきたらひき肉を加え、ほぐしながら炒める。肉に火が通ってきたらスパイス類を入れ、よく混ぜながら炒め合わせる。
(火は常に中火がいいと思う)
全体的にカレーが馴染んだら調味料を入れる。まずは味噌を入れ、少量の水で溶いて全体になじませてから他の調味料を入れるとよいだろう。かき混ぜながら水分を煮立てていき、全体的にシャバシャバ感がなくなってきたら完成! らっきょうや紅ショウガを添えたり(福神漬はやや現代的すぎる、使うなら「酒悦」の昔ながらの醤油漬けタイプを)、仕上げにウスターソースをかけてみたりするのも良いだろう。
*
作った後に調べてみたら「白樺派のひとさじキーマカレー(風土食房)」という瓶詰めの商品があるようだ。おそらく同社の「ネギイチバン」の姉妹商品的なものだと思われ、我孫子産の長ねぎを使っているとのこと。上記のレシピでも、玉ねぎの代わりに長ねぎを使う手もある。
市販のルーを使わずにカレー粉を使ってカレーを作る場合、何かしらの塩分が必要である。ケチャップにも多少の塩分があるとはいえ、それだけでは足りない。今までは普通に塩を入れていたのだが、味噌を使うと味に深みが出る。
味噌というのは家に無いとさみしい調味料だが、一人暮らしかつ味噌汁を日常的に作る習慣が無いと意外と持て余しがちである。そこで「カレーの味付けに使う」という発想が生まれると、消費する機会が増える。
白樺派のカレーを知ることで、カレーに限らず味噌の可能性を改めて確認できた。今後はいろんな料理に味噌を使ってみたいと思う。
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