第27話 冷凍ビームが四方八方から俺めがけて飛んでくる
「……それは真か?ゲマトリウス大教父の『治療』でも無理だった『支配』を、うぬの変態スキルで治療できると?」
皇女殿下だって疑うよなあ!
疑わなかったら逆に頭がおかしいよなあ!?
俺は『支配』されている捕虜をユーディンに連れてきて貰って、目の前で実践したのだった。
絵面と音声は酷いけれど、これはあくまでも治療行為だからと己に言い聞かせて……。
尊厳破壊した後、この捕虜も正気を取り戻した。
あの……体中の穴から血液以外のありとあらゆる液体をぶちまけたのは忘れてくれるよな?
頼む。
マジで頼むよ。
後で何か文句を言われても、俺には謝ることしか出来ないからな?
ごめん。マジに。
「うぬは……超弩級の変態だが、思考と行動は至極まともだな」
「……お褒めと蔑みの言葉ありがとうございます……」
傍らのデズ卿が絶句している。
そんなに尊厳破壊がショックだったのだろうか。
でもそうだよな、普通は。
俺の感覚がおかしいんだ。
ごめん。でも謝るしか出来ないので、いつか許して下さい。
「セレナは……元に戻るのか?」
「尊厳破壊を見逃していただけるなら、ご覧の通りに」
「………………。君の性癖についてはどうにも理解に苦しむ」
デズ卿からも最終的には威力のある冷凍ビームが飛んできた。
「アルセーヌ!」
ガブリエルが激怒している。
俺が勝手に人体実験をやったからだ。あの後でネイ将軍にもこれでもかと俺は怒鳴られた。そのまま捕らわれて鞭打たれないだけ良かったのだ。
結果的に治療方法が見つかったから今回だけは、ってギリギリで見逃して貰えた。
それだけで御の字だ。
勝手な俺の独断の所為で、軍律を破った。
そのことでどれほどの迷惑をかけたかを考えれば、軽すぎる処分だった。
「人体実験してごめ」
「どうして私に相談しなかったのですか」
「だって、失敗したら良くて鞭打ちされるんだ」
そんなのにガブリエルを付き合わせることなんて絶対に出来ない。
「嫌い!アルセーヌなんか!本当に最低だわ!」
パーンと頬をぶたれて俺は唖然とする。
ガブリエルが泣いていたから。
「ガブリエル……!?」
「もう良い!もう知らない!」
ガブリエルはそのまま大声で泣きじゃくりながら、部屋に飛び込んで鍵をかけてしまった。
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