第42話
市長室から見える景色は秋へと向かっている。
ツルギはこの一年の出来事を思い浮かべている。特に何の感慨もないが今あるのはこれからどのように展開するのか、それに対する興味だけである。ワクワクしていると言った方が正しいかも知れない。
昔の怠惰なツルギではない。スイッチが入り本能が目覚めれば人間はこうなるのだと言う典型である。
翌日、ツルギはユキを呼び二人は市長室に今後の方針方策を練っている。
二人の相談の結果は、党を立ち上げるべくマスコミに伝え記者会見を行い翌年の参院選に向けて候補者を立て候補者は一名。
その候補者の名前は伏せてあるがそれはユキで決まった。
二人はガッチリと手を握り決意を固めた。
もう後戻りは無い。
そこへアフリカのジニからの電話。
ジニはツルギの提案した町のクリーン作戦が効果をあげ、町に活気が出てきて良い方向に向かっていると喜びの声を伝えて来た。こんなに効果あるとは思わなかったと言い、町を綺麗にするこの運動を広めるつもりだと伝えて来た。
アフリカのこのクリーン運動はニュースにもなり、ツルギも知っていた。その時ジニは、これはツルギの提案だとインタビューに答えている。これがまたツルギの名を世界に広める事となった。世界に何かを発信するツルギの第一歩かも知れない。
秋晴れの朝。
党の立ち上げを公表する記者会見があるホテルで行われた。その場にはツルギとユキ。
それに向かってマスコミ報道陣。海外から報道陣も多数。
ツルギの澄んだ声が会見場に響いた。
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