第27話

北海道のA市に、様々な社会活動を実践している有沢レイという高校生がいる。

環境問題と街をきれいにする運動を積極的にやっている。

「どれだけ懸命(けんめい)に動き回っても」レイの心の中は、何か満たされない気持ちでいた。

そこへ、ツルギという女性が表れたのだ

あの事件をきっかけにレイの心の中に「ツルギ」が大きな存在となった。

ツルギの掲げた改革と実行の目標は、レイにとっても、取り立てて新鮮なものではない無かったが、議員定数の削減は全く前に進まない問題であったがレイは興味を持ってみていた。

意外とこれは改革の大きなきっかけになるようにレイには思えた。

この反応は、飯塚亮太と同じである。

レイの姉御肌(あねごはだ)の性格は彼女の周りに多くの仲間を集めていた。

街の清掃でレイが一言声をかけると多くの仲間が集まりテレビにもたびたび取り上げられた。

有沢レイは集団をつくることが嫌いであったが時代の波に押し上げられるように仲間と「緑の風」と言う組織を立ち上げた。

その会合の第一声、

レイは

「我々は社会の改革を目指し実行する」と手を振り上げ空を見上げた。

「大人には任せておけない」と大きく叫んだ。

百人を超す高校生は歓声を上げた

レイは、それを遮(さえぎ)るように手を差し出し静かになるのを待って、個人的な考えとして語り始めた。

「皆も知っていると思うが、私はツルギと言う女性を尊敬している。彼女と行動をともに出来るのであれば私の望むところだ」と言った。

他の仲間もレイと同じ考えであったので、その意見に反対する者はいなかった。皆将来を不安な気持ちで見ているのである。

また、彼等の心の中でツルギに対する期待、何かを変えてくれると言う信頼が大きく育っていた。

若者は、尊敬できる指導者を望んでいるである。そうして国の改革を望んでいるのである。

ただ言葉にも行動にもそれを表現が出来なかったのだ。

日本の指導者を見て、「こんなものか」とあきらめていたのである。

若者の目に、「信頼のできる人間」としてツルギが登場したのだ。

その「信頼」が核となり、「変革」を心に描き「行動」を形として表し始めた。

このように日本の目に見えないところで情勢は変化していった。

若者が静かに動き始めたのだ。

この動きに気が付く者は少ない。

しかし確実にインターネット社会では、改革と言う烽火(のろし)が上がったのだ。

多くの大人たちはそれを知らない。

・・・・・成果主義に翻弄される大人たち・・・・

・・・・・今日明日の結果に一喜一憂する大人たち・・・・

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