第21話

市長立候補の表明の記者会見が役所近くの会館で行はれた。

マスコミ関係者は会場から溢れるほどである。

海外メディアも押し寄せ、その人気の程(ほど)を見せた。

数ヶ月前、ツルギは自ら傷を負いながらも犯人を一撃に倒しアメリカ人親子を助けその映像が世界に配信された事で、海外での人気は高い。


市長選の域を越え日本国内で抜群の注目度でツルギの無投票当選が決まった。

記者会見当日。

さまざまの分野の報道陣が会場を埋め尽くした。様々な分野の注目度が高いという事だ。

報道陣の数は熱気となって建物周辺をつつんでいる。

会見が始まり、記者からはさまざまな質問が出た。

ある記者が質問。

「政治に関してあなたは未経験であるが」、それを「どのように思うか」と、聞いてきた。

逆にツルギはその記者に聞いた。

「熟練した政治家の行っている政治をどう思うか」と強く聞き返した。

その返す言葉の気迫に押されて、記者からの返事はない。

女性記者からの質問。

「何を公約として掲げるのか」

ツルギは答える。

「よいことは継続し、悪しき習慣は捨てる」と答えた。

外国人記者からの質問。

「今の日本をどう思うか」

ツルギは答える

「優秀な人材は見えるが優れた人格は見えない」と答えた。

外国人女性記者からの質問。

「あなたの一番やってみたい事は?」

ツルギは答えた。

「人種と宗教を超えてすべての人が手をつなぎあえる世界をつくる事」

訥々(とつとつ)としながらもよどみのない会見は人の心をひきつけた。

記者会見の会場も一定の静けさの中でありながら熱っぽさが漂っていた。

この雰囲気の中でツルギは何かに触発されるかのように「社会のために尽くそう」と決意を新たにした。

・・・・将来、ツルギが世界的な活動することを現時点で予想する者はいない・・・

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