クリスマスが誕生日の妹に手紙を書いて送ったら意外な反応が返ってきたんだが?
じゅんや
1話
俺の名前は、石川(イシカワ)裕也(ゆうや))。
現在27歳のニートだ。
ニートといっても全く働いていないわけではない。
たまにくる音楽の仕事で細々と暮らしている。
俺には9つ離れた18歳の妹がいる。
名前は由美(ゆみ)。
妹は、クリスマスが誕生日だ。
俺はいつからか忘れたが毎年妹の誕生日に手紙と少ないが何かの足しになるかと思って樋口一葉さんを1枚渡している。
手紙と言っても語彙力のない俺が書くんだから下手くそなものだが、なんか書きたくなるんだよな。
我ながら、柄にもないことをしているなとは思う。
で、今年もまたこうして紙とペンを持って何を書こうかと考えては消してを繰り返している。
「うーん。
まずは、19歳のお誕生日おめでとうだよな。
それ以降が全然思い浮かばない。」
あれだけアプリなどのバグ報告はすらすら出てくるのにいざ妹に当てて書くとなると全然思いつかない。
悩むこと1時間。
今年妹とどんなことを話してたかなとか考えてやっと書くことができた。
相変わらず下手くそだけどこう言うのは書くことに意味があると思う。
書いた手紙と樋口一葉さん1枚を封筒に入れてそのまま誕生日まで机の引き出しにしまっておいた。
それから数日が経ち、いよいよ12月25日がやってきた。
世間では、クリスマスと言うイベントでリア充がSNSでカレピッピとデートしたとか友達と遊びに行ったなどの投稿をしているのを見て俺は少し悲しくなったがそんなのはどうでも良い。
今日は記念日だ。
大切な妹が19歳になるんだ。
嬉しくないわけがない。
俺は自室の部屋に行き机の引き出しから封筒を取り出し、妹のいる部屋へ向かった。
「由美。
入って良いか?」
「お兄。
どうしたの?
入って良いよ。」
俺は緊張する気持ちを抑えてドアノブに手をかけてそっと開けた。
「由美、19歳の誕生日おめでとう。
今年も少ないけどこれやるよ。」
「お、お兄。
稼ぎ少ないのに。
良いの?」
「おい、稼ぎ少ないは余計だろ?
いらないなら返せよ。」
「い、いるいる。
ありがとう。
えへへ。」
そう言って、由美は封筒を開いてまず手紙を朗読し始めた。
「お、おい。
今読むなよ。
俺がいないところで呼んでくれよ。
恥ずいだろ?」
そう言っても由美は俺の話を聞かずにそのまま読み続けた。
「由美へ。
19歳のお誕生日、おめでとう。
今年は、大学生になって毎日楽しそうだなって思って見てるよ。
夏にお袋と親父が旅行に行った時初めてオムライス作ってもらった時はすっごく嬉しかったしおいしかったよ。
お兄は食べる専門だし、これからも時間があるときに作って欲しいな。
頼りないお兄だけど、困った時は相談してくれよ。
話を聞くぐらいはできるから笑。
19歳も良い1年でありますように。
お兄より。」
「えへへ。
お兄、ありがとう。
この手紙、大切にするね。」
「くっそー。
恥ずいからやめろって言ったのに。」
「いいじゃん。
私は嬉しいんだから。
そ、それとね。
私も、お兄のこと大好きだよ。」
「お、おう。
ありがとうな。」
「ねえお兄。
私ね。
お兄のこと、恋人として大好きです。
私のお兄ちゃん兼彼氏になってください。」
「ふぇ?
ちょ、ちょっと由美?」
俺はどうして良いかわからなくなって思わず抱きしめてしまった。
「お、お兄。」
そう言って由美は俺の胸に顔を擦り付けてきた。
俺は、まさか告白されるとは思っていなかった。
実のところ、俺も由美のことが異性として好きだ。
でもそんなのは許されないと思っていたから。
それに、俺がもし告白なんてしていたらもう兄妹の関係それ以前に今までの関係を続けられないと思っていた。
俺は何かが切れる音がした。
そこからは俺も嬉しいと言う気持ちと異性として大好きと言う気持ちをこれでもかと言うくらいに伝えた。
「俺も由美のことが妹としてはもちろんだけど1人の女の子として大好きだ。
こんなお兄だけど俺の彼女になってください。」
「お、お兄。
うえええええええええん。
ぐすん。」
」そこからはどれくらい抱き合ってたのだろうか。
「ねえ、お兄。
ちゅうしよ?」
「お、おう。」
由美は目を閉じて俺の方へ近づいてきた。
それから俺たちはキスをしあって、兄妹であり恋人同士になった。
クリスマスが誕生日の妹に手紙を書いて送ったら意外な反応が返ってきたんだが? じゅんや @pianoman0421
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