第35話想い出のコーヒー

「何処まで行っても卑怯だよ!」


語尾が荒んでいた。


ガチャン!

 その時、春樹が帰宅した。


修羅場はここで終わった。


「ごはん出来たよおいで!」


店先から叫び春樹を呼んだが、あの時の事を想い出しながら作ったハンバーグは上手く焼けていなくて、「焦げ付きが有るよママ。」


「ゴメンゴメン・・・、今日ね、春樹が話していた人が・・・パパなんだよね。」


ガタン!と、椅子がひっくり返るほどの驚きを見せた春樹が立ち上がる!

「パパは死んだよね!?」


「生まれ変ったワケよ。」


味噌汁を飲みながら口に残ったワカメを食べていた。


「それで親父は?」


ハンバーグを齧った。


「メシお代わり。」


どんぶり飯を3杯、味噌汁を2杯、サラダを2回お代わりして春樹の夕食が終わった。

 店の客席に腰かけ、ブラックコーヒーを飲んでいた。


カフェの終わりにはパパやリャンシー達とこうやってコーヒーを飲みながらお喋りしたっけなあ・・・。


と、キリコの胸中に過るケンの声やリャンシーの声を思っていた。


「奈美ちゃんと春樹は兄妹なんだよ。」


「だから交際してはダメ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る