街外

@KTMRJUN337j1

プロローグ

僕はいつもどうり学校が終わってから塾に行く電車に乗っていました。

この電車はおばあさんやおじいさんがいつも多いですが、帰りの電車は黒い服を着て四角いカバンを持っているおじさんでいっぱいになります。

今日は数学と英語の日なのであんまり行きたく無いです。

いつもの駅で降りようとすると、おばあさんが僕を呼びました。

『坊や坊や、鍵、鍵落としたよ』

僕はすぐ鍵をおばあさんのところまで貰いに行きました。ありがとう、というと偉いねと褒めてくれました。褒めてくれる人は僕は大好きです。

だけどいつの間にかドアが閉まって、いつもの駅で降りれませんでした。

僕は塾の先生に怒られることで頭がいっぱいになりました、ママにも怒られるかも知れません。不安でいっぱいになって体がどんどん熱くなります。

『坊や、どうしたの?大丈夫だよ』

おばあさんは優しく僕の背中を撫でてくれます。

『でも、ママにも先生にも怒られちゃうよ?』

僕は不安で聞いてみます

『先生?塾に行くのかい?』

僕はそうだよと言いました。

『塾は楽しいかい?』

『ちっとも楽しくないよ、勉強しに行くんだもの楽しいはずないじゃない』

僕は答えます。

『なら、行かなくたっていいじゃ無いか』

『でも行かないと先生やママに怒られるよ?』

『怒られないなら、行かないのかい?』

僕は少し考えて頷きました。

『それなら今日はうちにおいで、明日一緒にお家まで行ってママや先生に口を聞いてあげるから』

僕は塾に行かなくてもいいと聞いて嬉しくなって、おばあさんのお家に行くことにしました。

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