第15話 閑話 空からおねえさんが! おねえさんSIDE
あの日、私は私の勤務先のビルから飛び降りた。
限界だった、頑張って頑張って不眠不休で頑張って作り上げたものが
上司のミスですべてが無駄になった。
しかもその原因を擦り付けられた。
あの上へのおべっかと部下へのパワハラだけで仕事だと思っているバカに。
なんで保身のための働きはあんなに迅速で的確なのか。
それを仕事に使えばいいのに。
そんなことを思いながら階段を上っていく。
でもそんな感情をいだいているのでさえ疲れた。
もうどうでもいい。
屋上のドアをあけた。
ああ、いい天気だ。
ちょっと強めの風も気持ちいい。
ゆっくりしたい。
ああ、あたたかい。
太陽があたたかい、もうちょっと近づいて温まりたい。
手を伸ばして数歩あるいて太陽をつかもうとした所で
わたしは浮遊感につつまれた。
あたたかい・・・
気が付けばソファーに寝ていた。
こんなにすっきりしたのはいつぶりだろう。
エナジードリンクと机の下の寝袋、仮眠と近所の漫画喫茶でのシャワー。
女の生活じゃないわよ。
ちょっとぼーっとしたけど顔を覗き込むピンク色の髪の毛の全裸の少年。
全裸!?え?ちょっと!?なに?誰?
全裸?あれ?そうよね、この子はそうよね、何を驚いたのかしら。
彼はサキュアくんという子で私を助けてここまで連れてきてくれたらしい。
ゆっくり休むといいという事なのでお言葉に甘えさせてもらうことにした。
仕事なんてもうどうでもいいわよ。
あんなバカに管理を任せるような会社にもう義理もないわ。
あんなに働いたんだもの、ゆっくりさせて・・・。
いろいろ愚痴をサキュアくんに聞いてもらったりしたわ。
彼は聞き上手ね。
ふふ、ネクロマンサーじゃないわよ。
でもデスマーチを使うのはほんとうよね。
あのバカがちゃんとスケジュールと人員のバランスをとっておけば
デスマーチなんて発生しないもの。
彼は私にやさしく抱き着いてくれた。
ああ、ハグってこんなにあたたかったのか。
なんか昔実家で飼ってた犬を思い出すわ。
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