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上下にそれぞれサス
下手に結衣 上手に沙綾
結衣 沙綾ちゃん 瑠華ちゃんが 追試80点いかなかったら絶縁って 本気?
沙綾 んー…… 半分嘘で半分本気 かな
結衣 どういうこと……?
沙綾 だってそうでも言わないと絶対やんないじゃん 瑠華
結衣 確かにそれは否定できない……
沙綾 瑠華にはこれが正しいと思う なんとしてでも文化祭での舞台を上演したいから
上下サス消える
下手中央上手にそれぞれサス
下手に沙綾 中央に瑠華 上手に結衣
LINEをしている
瑠華 今日の追試の結果出たよ!
沙綾 おっ! で 結果は?
瑠華 なんと……
結衣 なんと?
瑠華 合格しました! 91点!!!
結衣 えー!!! 91?! たっか!
沙綾 生物苦手な瑠華が91点……? 明日ひょうでも降るのか……? でもよかったじゃん瑠華!
瑠華 うん! 今めっちゃ最高の気分!
結衣 ほんとによかったね瑠華ちゃん! 沙綾ちゃんも
沙綾 これでちゃんと文化祭出れる…… まじでよかった……
結衣 だね よかったよかった
瑠華 沙綾ちゃん これで絶縁はなしだよね……?
沙綾 ……うん なし!
瑠華 やったぁ! ありがとう沙綾ちゃん!
サス全て消える
全体が明るくなる
ホワイトボードに「文化祭まであと13日」
瑠華 あー 文化祭まで あと2週間もないんだね
結衣 だねー まだ先のことに思えちゃうよ
瑠華 それな! ちゃんと裏方も私の友達に頼めたし もういけるんじゃ……
沙綾 そんなこと言ってないで 練習しなきゃ 練習しなかったら ただ恥かくだけだよ
結衣 確かにね 練習しよ
瑠華 うん しよー あっ その前に…… お菓子食べよっ! 腹が減っては戦ができぬ!
沙綾 はぁ? 何言ってんの
結衣 瑠華ちゃんらしいね
瑠華 じゃあ ちょっと食べたらやろ!
沙綾 待って
瑠華 どうしたの? 沙綾ちゃん
沙綾 ねえ あんた部長なんでしょ? だったら もっとちゃんとやってよ
瑠華 やってるじゃん どこをどう見ても
沙綾 何言ってんの 文化祭までもう2週間もないんだよ? なのにそんなだらだらしててさ もっと緊張感もってできないの?
瑠華 緊張感って…… 部活はみんなで楽しくやるもんじゃない? そうでしょ? 沙綾ちゃん
沙綾 だからって 2週間切ってまでこんな感じでさ…… いつもそうやってギリギリまでやんないし 能天気だよね 瑠華って ……ほんとにやる気あんの?
瑠華 あるよ! 見ての通り 部活やってんじゃん!
沙綾 部活やってるって…… ただ部室にいるだけじゃん それじゃここにいる意味が無い もっとちゃんとやんないと…… もっとちゃんと練習しないと…… 私は……っ!
結衣 沙綾ちゃん…… そうだよ 瑠華ちゃん ちゃんとやろ? ね?
瑠華 えっ? ほんとに私ちゃんとやってるつもりなんだけど……
沙綾 つもり? 私は本気でやってるの だから 一つ一つの舞台を大切にしたい 成功させたいの 瑠華はそう思わないの?
瑠華 思うけど…… 楽しければそれでおっけーじゃん
沙綾 そういう問題? ……もういい 私もう帰るね
瑠華 えっ? ちょっ 沙綾ちゃん? ごめん…… ごめんって…… 謝るから! ねえ 沙綾ちゃん…… 沙綾ちゃん!
沙綾はける
瑠華 結衣ちゃん…… 私…… なんか悪いことしたかな……?
結衣 沙綾ちゃんは 本気でこの舞台に向き合ってるんだよ しかも 他の部活は結構練習してる ダンス部とか チア部とか 他の部活も…… 瑠華ちゃんと私がちゃんと練習しようとしてないから 本気で文化祭の舞台を成功させたい気持ちから ついカッとなっちゃったんだろうね
瑠華 そう…… なの……?
結衣 ……そういえば沙綾ちゃんって 中学校のとき 演劇部だったんだよね
瑠華 うん 沙綾ちゃん 頑張ってたよ みんなで舞台を作りあげるの やりがいがあっていいって言ってた
結衣 そういうことじゃん
瑠華 えっ? 何が?
結衣 沙綾ちゃん 中学校のときみたいにやりたいんじゃない? みんなで舞台を作りあげるってこと
瑠華 作りあげる……
結衣 そう 作りあげる ……私もさ 小学校のとき 演劇ちょっとだけやってたから 沙綾ちゃんの気持ちはすごい分かるよ 舞台をみんなで作りあげるって 大変なことだけど すごいことだって 私は思う 瑠華ちゃん…… 瑠華ちゃんは そう思わない?
瑠華 ……思うよ ……結衣ちゃんって 演劇経験者だったんだね 私なんかが部長でいいのかな…… 演劇なんかやったことなかったのに……
結衣 沙綾ちゃんが 「瑠華は 私にとって 唯一の親友で 1番信用できる 私には部長は務まらないから 瑠華が適任だと思った」 って前言ってたよ
瑠華 沙綾ちゃん…… そんなこと言ってたの……?
結衣 そうだよ 瑠華ちゃんは 好きなことはちゃんとやるから大丈夫だって
瑠華 ……
結衣 瑠華ちゃん 演劇好き?
瑠華 好きだよ! でも部活って 楽しくやってればいいものだと思ってた…… 中学校のとき 部活やってなかったから…… 楽しければいいってわけじゃないんだよね
結衣 そうだね ちゃんとやんなきゃいけないときはちゃんとやる 羽目を外していい時は外していい…… そういうことなんだよ
瑠華 ……私の考えが甘かったんだよね…… ……連れ戻してくる 沙綾ちゃんにちゃんと謝りたい
結衣 うん
瑠華はける
下手より瑠華沙綾
瑠華が沙綾を引っ張ってくる
沙綾 ……なんなの瑠華
瑠華 沙綾ちゃん ごめん
沙綾 ……
瑠華 ……沙綾ちゃんが この舞台に本気で向き合ってるのに 私…… 私……!
結衣 ……
瑠華 ……分かってなかった 私の考えが甘いってこと…… これから ちゃんとやるから ……だから……!
沙綾 ごめん
瑠・結 ……えっ?
沙綾 自分の考えを押し付けて 私 馬鹿みたいだよね 強く言いすぎて ごめん
瑠華 そんなことない! 沙綾ちゃんが正しいんだよ! 文化祭まであと2週間もないのに だらだらしてた私の方が馬鹿みたいだよ…… 沙綾ちゃん ごめんね……?
沙綾 ……分かってくれたんだね 私 中学校のとき 部長でさ 自分の考えを人に押し付けて それで 舞台で失敗して…… ……ほんとに馬鹿みたいだよね ……しかも 人見知りが大会のときに他校の人に出ちゃってさ…… 「部長なんだからちゃんとやれ」 って 「いつもの威厳はどうした」 って…… 顧問の先生とか 副部長とか 部員とかに言われちゃって…… だから私は 部長にはもうなりたくなくて 瑠華に部長を任せた それでも 自分の考えを人に押し付けちゃうって…… ほんとに駄目だよね 私って……
結衣 そんなことない! 沙綾ちゃんは 頑張ってる だから 多少自分の意見を押し付けちゃうのは しょうがないと思う 失敗したって 次に進めれば それでいい 私はそう思うよ
沙綾 結衣…… ありがとう
瑠華 沙綾ちゃん…… 怖かったんだよね 中学校のとき 相談してくれれば 相談にのったのに……
沙綾 私は 自分のことは 自分で解決するべきだと思ってる 瑠華に余計な心配 させたくなかったから……
瑠華 余計な心配……? 何言ってんの そんなの余計じゃないよ! 私たち 親友でしょ? 小学校からの付き合いじゃん 沙綾ちゃんは 1人で抱え込みすぎだよ もっと 私に相談して? そうすれば 沙綾ちゃんが1人で悩まないで済むでしょ……? ……もっと 私を頼ってよ 私が沙綾ちゃんを頼るみたいに
沙綾 瑠華……
瑠華 私は 沙綾ちゃんが 私の知らないところで 1人で悩みを抱え込んでるのなんか 嫌だ ……だから もっと私を頼って……?
沙綾 ……ありがとう 瑠華 お言葉に甘えてこれから 困った時は相談させてもらう
結衣 私にも相談してもらっていいんだからね?
沙綾 結衣もありがと 相談できる人ができて なんか 安心感持てた気がする
瑠華 それならよかった ……練習しよっか ごめんね 私のせいでこんな時間に……
沙綾 大丈夫だよ 私のせいでもあるんだし ほら やろ
瑠華 うん……!
結衣 頑張ろうね
瑠・沙 (頷く)
沙綾 昨日の続きからやろっか 瑠華と結衣しか出ないとこだから見てるね
瑠華 了解だよー
沙綾 いくよー 321 はいっ
B.G.M.
暗転
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