旅立ち
「えっと、あの木と山が丁度重なる場所から5歩右に歩いて、、、」
「ここにあたるな」
2人はビリアンの隠した路銀を探していた
「そろそろ暗くなってくるから早くしないとね」
「そうねだな、、、ここか」
カエデは地面を見る
「ここに何かが埋まってるっていう思考が無いと分からないほど隠されてる埋められた形跡がある」
「よし!風魔法で掘るから待ってて」
「うん!」
ガガガ
カエデの魔法によって地面が掘られていく
そして
「あった!」
大きな宝箱が掘り出された
「さて、、、何が入ってるんだろ?」
アリアがとカエデが宝箱を開けると
「装備?」
武器一式の装備がまず目に入った
「どれも素晴らしい武具ね。アリアのサイズに完全に合ってる、、、ライトアーマーだから動きの阻害も薄い」
カエデは武器を見てそう言う
「路銀は、、、金貨10枚に銀貨50枚銅貨100枚、、、十分だよね?」
「ああ。十分すぎる」
「なら、、、これで、もう、、、旅に出ることに」
アリアはどこか寂しそうだ
「見てみな」
そんなアリアにカエデはとある方向を指さす
「あれは、、、みんな」
その方角には孤児院の家族が笑っていた
「こう言うのはよくないけど言わせてもらう。あの子達に迷惑掛けたら悪いだろ?」
「、、、そう言うのって敵が言うことじゃない?」
「セラフ神聖国の意識に逆らう時点で世界の敵みたいな気がするから問題ないだろう」
「確かに、、、それじゃー、みんなまたね」
そうしてアリアは生まれて初めてバランの街の領域から出るのであった
日が完全に沈んだ頃
「見つかりません!」
「どこにいったんだ?!」
教会内は阿鼻叫喚であった
「、、、」
(そろそろアリアは街の領域外に出たからだろうな)
そんな教会を見ながらビリアンは1人アリアの今を考えていた
「ひとまず、これ以上の捜索は無意味だ。アリア達がどこへ向かうかを考えよう」
そしてビリアンはそう声を上げた
「「は、はい!」」
「行き先は4択だ。サフラン王国・ヤマト皇国・ヘルメス家・その他だ!その他はまず除外する、次にヘルメス家だがあそこも無いだろう。わざわざ虎穴に突っ込むバカがどこにいる。そしてサフラン王国だがそれならサフラン王国側の人間が見つかる危険性があまりにも高いため除外。すると残りはカエデさんの母国ヤマトだ!そこに当たりを付けてバカ娘を連れ戻す!」
(これでかなりヘルメス家に行きやすいだろ?カエデさんも居るんだ問題ない、、、ごめんなアリア。普通の生き方を歩ませてあげれなくて。せめて今は健やかに)
「さて、、、恐らくエクレアの家までの道で大きな妨害は無いはず」
一夜明けアリアとカエデは寝ずに走りバランの街の領域内から抜けていた
「にしても、、、一晩の宿を求めた結果こうなるなんて人生はわからないものだな」
ふとカエデがそう呟く
「当たり前の人生なんて簡単に壊れるっていうことも含めて教訓にするわ」
それにアリアは追随してそう言う
「死ぬその時まで足掻く、人生は何が起こるかわからないの2つを私達の辞書に加えますかね」
「だね、、、ところで今から行くヘルメス家?ってなんなの?」
アリアがそう聞くと
「簡単に言うと表向きはこの国で王様の次に偉い家」
カエデはあっさりとそう答えた
「、、、え?」
当然アリアは唖然とする
「まー、長女以外はまともだから安心しなさい」
「、、、長女まともじゃないの?」
「、、、常人の5倍の慈悲と常人の10倍の悪意と20倍の狂気を持った女よ」
「大丈夫なの?!」
「大丈夫、、、それよりも問題は婦人のメーテリアさん。実家がセラフのNo.2みたいな家だから普通に切られる可能性がある」
「え?今から地雷原に行くの?」
「地雷原の奥に入り込めれば手出しできなくなる」
「なんちゅうゴリ押し」
アリアは頭を抱える
「でも、、、なんでビリアンさんはヘルメス家に行くように?」
(普通に考えたらヤマトやサフランに逃げ込むこと
が最善策、、、何か勝機があった?)
アリアはビリアンの考えが掴めずに居た
「というかビリアン様私達のこと取り逃がしたの大丈夫なのかな?逃したわけではないって処理されるだろうけど、、、」
「あの人なら大丈夫だろ、、、いや、真面目にあの人やばいだろ!どんだけ狡猾なんだよ!敵に絶対回したくない」
アリアの心配にカエデはそう返した
「確かにそれもそうだね。私もカエデちゃんみたいな剣術やビリアン様の狡猾さを学ばないとなー。今の私じゃダメ!」
そんなカエダの言葉にアリアは気合いを入れるのであった
「、、、普通に今のアリアってかなりのことできるよな?」
「時間加速・遡行・停止の3つだけだよ?」
「応用効きすぎるだろ」
(アリスの気づかぬチートじゃないんだから、、、)
カエデはそう呆れると
「一回お互いの出来ることとか把握するぞ。私達はお互いにお互いのことを知らなすぎる」
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