暗雲
数日後 孤児院があった町
「よし!小屋はこれで全部できた、、、水路班!そっちは調子はどう?」
アリアがそう声を上げると
「あともう少しで繋がる」
子供達がそう返し
「おじさん達は腰が死にそうでーす!」
冒険者達はそう悲鳴を上げる
「木工班はどう?」
「こっちももうすぐで柵作り終わるよ!」
「怪我に気を付けなさい!」
「俺達が見てるから安心しろ!」
「開墾班は、、、ヘロヘロね」
「「農業キツイー!」」
子供と大人の両方がヘロヘロだ
「だったら全員治してあげるわ!タイム・リバース!」
パチン
アリアが指を鳴らすと
「うぉ!」
「疲れが消えた」
「水分とかは完全には戻らないから気を付けてね」
「「はーい」」
「ふー、」
アリアは息を付く
「お疲れ!」
「あ、ビリアン様!」
「おじさんって呼んで欲しいんだが、、、まー、いいや。想像以上に進みが早いな」
「みんなやる気がありますから、、、にしてもまさか茶畑を造ってそこでみんなを働かせるなんて。しかも孤児院があったこの町に」
ビリアンは孤児院があった町に大教会が売っている紅茶の茶畑を作りそこで子供達に生活を送らせながら働かせるという案を実行したのだ
「茶畑の仕事なら子供達でもできるだろうからな。それに、、、ここは子供達の故郷なんだ。どうせならな、、、あ、安心してくれ!新人と管理者の育成で教会の人間を多くここに配備するから。万が一子供だからって舐めた真似した馬鹿が居たら、、、ここの肥料になるからな」
「怖!」
「ははは、、、それにしても」
ビリアンはとある方向を見る
「、、、あー、あれですか」
アリアもその方向を見てそう呟く
ザク ザク ザク
「カエデちゃん耕すの早すぎるでしょ、、、」
「刀もクワも振るもんだからか?」
「ははは」
そんな感じでアリアは平穏な日々を取り戻していた
「ビリアン様!!」
しかし運命はアリアを逃さない
「どうしたそんな慌てて?」
ビリアンがそう聞くと馬に乗った司教は
「さ、先ほど大教会に、、、教皇直属部隊の方が!」
「っ?!」
その言葉にビリアンは唖然とした
「きょ、教皇?」
アリアは教皇という大物に驚くがそのヤバさを理解できていなかった
「ま、まだ数日しか経ってないんだぞ?!なんでバレてるんだ?!」
そしてそう叫ぶように言った
「確認だが用件は?」
「わかりません。ただ、、、ビリアン様と、、、アリアとカエデさんに用があると」
「え?私とカエデちゃんも?」
「クソ!誤魔化す前にバレちまったか、、、っ!腹をくくるか。悪いがアリア、、、カエデと一緒に来てくれ」
「は、はい!!」
「、、、、、、」
ざわざわざわ
大教会内は騒めいていた
ガチャン
「今戻った!」
そんな中ビリアンが戻る
「「ビリアン様!」」
「教皇陛下の使いは?」
そうビリアンが聞くと
「こちらです」
1人の女性が歩いてきた
「教皇直属部隊のペトラ・フェリアルです」
「バラン大教会責任者を務めています大司教のビリアン・アルベルトです」
2人は握手を交わす
「後ろのお二人が」
そしてペトラはビリアンの後ろにいたアリアとカエデを見る
「カエデです」
「あ、アリア・サタナエルです」
「、、私のことはペトラと呼んでください。教皇直属部隊と言ってもそこまで偉いわけではないですから」
ペトラは笑みを浮かべる
「それで?今回はどのようなご用件でしょうか?」
ビリアンがそう聞くと
「聞くまでもないでしょう?」
ペトラはそう返した
「、、、アリア、少し俺の部屋に行っててくれ」
「え?」
「ペトラさん、アリアはまだ幼く今から話すことをそのまま聞けば傷も言えていない体に触る事でしょう。先に私が聞いてその上でもう一度お二人にお願いします」
「、、、構いませんよ」
「じゃー、アリアは俺の部屋に行っててくれ。終わったら呼ぶから、、、何、変な話じゃない」
そしてアリアにそう言った
「はーい」
そうしてアリアは部屋に向かおうとした
「あ、私もついて行きますね」
その瞬間ペトラがそう言った
「「え?」」
「っ!何故ですか?」
「いえ、実は今回の話のついでに少し早いですが監査をしてくるように言われていまして。やはり住んでいる場所はそのまま人を表しますから」
そうペトラは笑いながらそう言い
「何か不都合でも?」
次の瞬間絶対零度の眼をビリアンに向けた
「いえ?無いですが、、、はずかしいですね」
その眼にビリアンは一切の動揺を見せずに
「ではこちらです」
ペトラを案内した
「ここですね」
部屋の扉を開けると
「「ん?」」
「なんか焦げ臭い?」
微かに何かが焦げた匂いがした
「え?あー、昨日紅茶作ってた時に魔法ミスって少し燃やした」
「何してんですか?」
アリアは呆れた目を向ける
「疲れてたんだよ」
「あ、、、」
「うん。整理整頓されていますね。怪しいものもないし大司教の潔白さが伝わりました。では、アリアさん少し待っててくださいね」
そうして部屋にはアリアとカエデが残されるのであった
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