イベント

「お互いに魔力量が急激に上がってると、、、うーん」

カエデは考え込む

(数日前に3000だったはず、、、今は4000。数日で1000も魔力量が上がるなんて流石におかしい)

「魔力量がこんな上がるなんてありえるの?」

アリアがそう聞いてくる

「ありえないな、、、あー、アリアの固有魔法で私の成長を底上げしたとか?」

「そのレベルは無理だよ」

「そう、、、というか、アリアって時間を戻すこと以外は出来ないんじゃなかったのか?」

カエデがそう聞くと

「、、、えっと、昔に時間の加速使って大怪我しちゃって。それ以降使うのを禁止されてるんだよね」

アリアはバツが悪そうにそう言った

「なるほどな。私もお母さまに危険な技の練習を止められたことがあったな。あの時の怒りは本当に、、、本当に怖かった」

「母親は強いってことだね」

「間違いないな、、、さて取れそうな素材を持って町に戻ろう」

「そうだね」

こうして謎と母親への畏怖を持ちながら2人は町へ戻るのであった




「すっごいお金」

クエスト報酬と素材の買取で得た金額は銀貨20枚である

「一宿一飯の恩が返せてよかった」

カエデがそう言うと

「もう少し孤児院に居ても良いんだよ?」

アリアはそう返す

「悪くない誘いだけど私は行かないといけないから」

「そっか。それは残念だけど旅頑張ってね」

「ええ。まー、ひとまず荷物が孤児院にあるから戻らないと」

「そうだね」

「そういえばあの2人の精霊はクエストに連れてこないかったの?」

ふとカエデがそう聞く

「孤児院が襲われたりしたらマズいからね。それ抜きにしても院長一人に全てを押し付けるのは大変だろうから。孤児院に見回りをしてもらってるの。喧嘩が起こったりしたら仲裁してもらったり怪我した子が居たら治してもらったりっていうことを」

それにアリアはそう答えた

「なるほど、、、B+って言うランクは精霊無しで?」

「うん。アピスとセリアの力があれば、、、A+にギリ届かないぐらいまでは強いよ?というかそもそも冒険者ランクは精霊とかの力を含めないものだよ?」

「、、、え?」

「だって精霊とかの力使ったらそもそもまず魔力量が莫大に増えることになるからステージが違うことにになっちゃうじゃん」

アリアがそう説明すると

「、、、エレボスってあの時確か」

アリアはやばいという顔で固まるのであった







「銀貨10枚、、、すごい稼ぎね」

レラジェはそう呟く

「私も驚きです」

「流石ヤマトの名家の長子ね、、、今日も止まっていくの?」

「今日出ていくそうです」

「そう、もう少しでだからそれまで残ればいいのに、、、誘ってみたらどうかしら?」

レラジェがそう言うと

「誘ってきます!」

アリアは急いでカエデの方へ向かった

「あらあら、、、思えば友達というものをあの子は居なかったからね」

(カエデさんが友達になってくれればいいのだけれども、、、あの子をこの町から出すわけにもいかないし)

レラジェは苦しそうにそう言いながら愛娘アリアの背を見つめるのであった




ガチャン

「カエデちゃーん!」

「うわぁ!アリアどうしたんだ?」

突然入ってきたアリアにカエデは驚く

「もうすぐ子供祭りって言うお祭りが近くの大きな街のバランで開催されるからそれまでここに泊まらない?」

アリアがそう言うと

「え?あー、、、」

カエデは少し考えこむと

「凄く魅力的だし私は祭りが大好きだし、、、うん!その提案に乗らせてもらう」

そう笑顔で答えた

「やったー!」

「お祭りかー、、、楽しみだな。子供祭りって言うのはそう言う物なんだ?」

カエデがそう聞くと

「数年前に近くの町で魔教司教が児童売春を行っていたんだけどそれにブチぎれた憤怒の大罪司教が町ごとそれを消し飛ばしたっていう事件があってね、それは憤怒の鉄槌事件って言われてるの。そして今のバランの大司教が二度と子供が犯罪に巻き込まれないようにと願うと同時に二度とそんなことを起こさせないためにっていうお祭りなの。暗に憤怒の大罪司教を称えることになるから一部から不満が出てるけど、、、私はその考え自体は好きだけど大司教が嫌い」

アリアはそう説明した

「なるほどね。というか大司教嫌いなんだな」

「うん!」

「そ、そう」

カエデはアリアの勢いに押された

「祭りまではあと4日だからそれまではゆっくりしていてね。クエスト行くなら一人でね。私はもうクエストは受けれないから」

「え?なんでだ?」

アリアが不思議そうにそう聞くと

「私が冒険者として活動する時の約束で週に3日しかクエストは受けないって言うのがあってね。今日ので3日目だったのよ」

カエデはそう答えた

「なんでそんな決まりが?」

「私が無理しないようにだって」

「あー!!」

(レラジェさん素晴らしい方だな)

カエデはレラジェの人徳の深さに尊敬を覚えた

「私、お祭りまではどうしようかな?」

そうアリアが呟いた瞬間だった

「だったらカエデさんに色々とお話を聞いてみたらどうかしら?」

アリアの後ろからそう声が掛けられた

「え?院長」

「扉を閉めて話しなさい。声が駄々洩れよ」

レラジェは呆れた様子でそう言う

「カエデさんは聡明な方だし名家のご出身だから色々と話が聞けるはずよ。さっき魔教司教の話が出たけれども少し前にヤマトでエレボスがワァラクを倒して救ったって言う、悪魔術者同士の戦いがあったらしいから」

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