恩義
「なるほど、わかりました」
カエデの話を聞いた院長は
「どうぞここに泊まって行ってください」
そうカエデに言った
「ありがとうございます。少ないですがこれをお納めください」
そしてカエデはそう言って銀貨を5枚机に置いた
「「っ!」」
(3か月は人間が慎まやかに暮らせる金額よ?!)
(それをあっさりと?!)
それを見た銀貨の価値が分かる人間は驚愕する
「大丈夫ですよ。ここは孤児院困っている方、、、ましてや子供を助ける時にお金をもらうなんてしませんよ」
しかし院長はそう言って置かれた銀貨を返した
「、、、わかりました。そのご厚意に甘えさせていただきます」
そしてカエデはそれに従った
「そこまで高潔な意志がある人にこれ以上言うのは失礼ですからね」
「流石ヤマトのお侍ね。悪魔教団に蝕まれていたというのにその誇りは一切衰えていないわ」
院長はそう言う
「ですがこの恩を忘れることはご容赦願います。私は子供なのでそこまで高潔ではないので。孤児院ですから子供には優しいんですよね?」
「っ!負けたわ」
院長はヤマトの返答に笑うのであった
「こ、これが大人の会話」
そんな会話を見てアリアは眼を輝かせるのであった
「アリアさんもすぐにできますよ、、、ところで院長さんのお名前は?」
「「え?」」
その言葉に全員の時が止まった
「え?どうしたんだ?」
カエデがそんな雰囲気に不思議そうにそう聞くと
「「院長の名前って何?」」
子供たち全員がそう言った
「え?」
「「、、、院長の本名って何?」」
そう子供達は院長の名前を知らないのである
「そう言えば教えたことなかったわね」
院長はそう言えばといった様子でそう言うと
「私の名前はレラジェ・サタナエルよ」
自分の名前を言った
「「ほへー」」
「ではレラジェさん。今日はお世話になります」
院長の名前を知ったカエデはそう言うのであった
「ええ。客室を準備しますのでその間にお風呂をどうぞ」
「ありがとうございます」
「アリア、案内してあげて。他の子達はもうお風呂に入っちゃったから私の部屋のお風呂を使って頂戴」
「はい。カエデさん荷物はこちらで運んでおきますから、着いてきておいてください」
アリアはそう言ってカエデの手を取った
「はい」
そしてアリアとカエデはお風呂に向かうのであった
「サンモンジ、、、ワァラクの支配を逃れていたサンモンジ家の人間よね。ふむ、、、どうしましょうか」
二人の後姿を見ながらレラジェはそう呟くのであった
「「ふー」」
アリアとカエデはお風呂に入りリラックスする
「うわぁ、、、引き締まった体ー」
カエデの一切の無駄のない体にアリアは眼を輝かせる
否
「ただ、胸だけはあるのがイラつく!」
胸部の無駄な装甲にだけは嫉妬の目を向けた
「あっても邪魔なだけだが?こんなものただ当たり判定が増えて動きを阻害するだけだ」
カエデはそう言うが
「きぃー!!持ってる人はみんなそう言うのよ!!」
アリアはそう叫ぶ
「私から見ればあなたのその凹凸の無くて筋肉もしっかりとついたその体が羨ましいのだけどね、、、それにしても孤児院というのにここは設備がしっかりとしているのね。ヤマトはアヤメ、、、皇帝の政策で子供へ使うお金は糸目をつけていなかったしあの魔教司教も子供には手を出していなかったから子供が生活に困ることはなかったけれど他の国じゃそんなことはないって聞いていたけれども」
「私が冒険者として稼いでいるのと院長の副業のお陰で裕福ではないけど暖かい生活は送れているの」
カエデの問いにアリアはそう答えた
「なるほど、冒険者なんだな」
「ええ。B+よ!」
アリアは無い胸を張ってそう言う
「、、、A+」
「え?」
「私A+」
そんなアリアにカエデは気まずそうにそう言った
「、、、ぇ?」
「と、年の差があるし私は名家の出だからな!アリアは孤児なのに私に迫る才能が有りそうだから大丈夫だ!」
落ち込みかけているカエデにアリアはそう言った
「そ、そうかな?」
「ええ!、、、そうだその手があったな!」
いきなりカエデが名案といった様子でそう声を上げた
「ど、どうしたの?」
「ふふ、まず
次の日
「Aランククエストのハイ・バジリスクの討伐を受けさせてもらう。メンバーは私とアリアだ」
「「、、、は?」」
ギルドが静寂に包まれた
「え、えっと?アリアちゃん、、、この人は?」
受付がアリアにそう聞く
「ここで孤児院への案内をされたヤマトからの旅人です」
「それは分かってるわ。なんで人と組むことを嫌がって居たアリアちゃんが昨日今日の関係のこの子と一緒にクエスト受けようとしているの?しかもAランクって」
「それが、昨日孤児院でお世話になった恩を返したいそうなだけど院長はそれを受けてくれなくて、、、それであくまで路銀を稼ぐためにクエストを受けて安全のためにB+の私と組む。報酬とかもろもろの収入は1:1っていう契約で」
アリアがそう説明すると
「あー、なるほど。いつも受けているBランクのクエストの報酬とAランクの報酬じゃ5倍くらい違う。1:1でも2.5倍の収益は得れる上モンスターの素材を取れればさらに上がる。それで恩返ししようってことね」
受付の人は納得した
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