教会での一幕

「相変わらず豪華絢爛な場所ですね」

アリアが嫌味でそう言うと

「ああ。おかげで周囲に住む教徒はより深く安心して神を信じることができる。やっぱり金とは人を引き付ける力があるな」

ビリアンはあっさりとそう返す

「でも、私達の孤児院もここに負けないぐらい愛に満ち溢れた場所ですけどね」

「間違いないな。あそこにはお金という金無いが愛という金が存在するからな、、、本当はもう少しお金の方の金もあればいいんだが」

「だったら少しは寄付してくれませんかね?お金余ってるんでしょ?」

アリアがそう言うと

「余っては無いぞ?緊急の時のための金はどれだけあっても足りることはない」

ビリアンはそう返した

「、、、強欲ですね」

「強欲じゃなくちゃ大司教なんてなれないよ」

「っ!」

(本当イラつく。私の発言を全部受け流してくる)

アリアは苛立ちながら進んで行くと

「そこで少し待っててくれ」

ビリアンがそう言って教会の長椅子を指した

「どうも」

「少し時間かかるから紅茶でも飲んで待っててくれ」

そしてビリアンは奥に入って行った

「はー、、、ここの紅茶は異様に美味しいからこれだけ役得ね」

(どんだけ高い茶葉なのかしら?)

そんなことを考えていると

「アリア嬢久しぶりだな」

「あ、どうも司教様」

一人の司教がアリアに声を掛けた

「遂に聖印を刻む気になりましたか?聖印を刻めば神聖術式を扱えるようになりますから今より強くなれると思いますよ。せっかく力を持った精霊と絆を結んでいるというのに」

そしてそう言ってきた

「聖印と神を信じる心が必要なんですよね?私にはそんな心ありませんよ」

しかしアリアはどこか悲しそうにそう言った

「昔にも言いましたが親に捨てられたからと言って愛を感じられないということはないでしょう?孤児院では愛されることも愛することも下手な司教よりも感じ行えるはずです」

「親の愛というのはどうやら違うみたいですよ、、、心は満たされない」

「強欲ですね」

「偉そうに説法垂れてるそっちは傲慢ですね」

「はー、本当にビリアン様はなんでこんな子に目をつけてるのでしょうか」

司教は呆れる

「今に始まったことじゃないだろ」

そんな司教とは別にもう一人司教が現れた

「紅茶だ」

「どうも、、、少し味落ちました?」

「いい舌してるな。ビリアン様が言うには今年の茶葉は少し出来が悪いらしい。なんでも水分が多いとかで。俺たちみたいな上流階級の人間でもわからない物をなんでお前みたいな奴が、、、絶対俺達の支援受けて学園通うべきだろ」

司教がそう残念そうに言う

「今更学園通うような育ち方してませんよ。この都市で学園で文字の書き方でも学べとでも?」

「その辺りは俺達がどうにかする、、、その強さと高潔さをこんなところで腐らせるのはあまりに持って話だ」

「興味ないですね、、、まー、文字が書けるようにはなりたいですけど」






「これが院長に届けてもらいたいものだ」

紅茶が飲み終わったと同時にビリアンがそう言って一つの50㎤ほどの箱を渡してきた

「中身は何なんですか?」

アリアがそう聞くと

「絶対に中身は見るな、、、危険な物じゃないがお前が見るとさぞかし面倒なことになる。まー、今日の夜に俺の感が外れればわかる物だ」

ビリアンはそう答えた

「はぁ、、、まー、了解しました。院長にしっかりと渡しておきます」

「頼んだ。院長には今日中に見るように言っといてくれ」

「はい。では失礼します」

こうしてアリアは教会を出て行くのであった







「何ら事件もイベントも無く孤児院に戻ってこれな」

孤児院を出たアリアはそこから何か起こることもなく孤児院に戻ってくることが出来た

ガチャ

「ただいまー!」

孤児院の玄関を開けてそう声を上げると

「おかえりなさい」

院長が迎えてくれた

「戻りました。えっと手紙を見せたらこれを渡すようにって大司教から。今日中に見て欲しいだそうです」

アリアはビリアンから預かった箱を院長に渡した

「え?わ、わかったわ」

受け取った院長は不思議そうに受け取る

「ん?院長も何かわからないんですか?」

「ええ。あの手紙で一体何を?一先ず後で見てみるわ。それよりも早く来てちょうだい、、、見せたいものがあるの」

院長はアリアの手を取ってそう言った

「はい?わかりました」

アリアは何だろうかと不思議に思いながら院長に連れられ院内を進むのであった

そして辿り着いたのは

「大広間?」

大広間の前の扉であった

「ええ。入ってみて」

院長はアリアに入るように促す

「は、はい」

ガチャ

そしてアリアが扉を開けて大広間に入ると

パン パン パン

「「アリアお姉ちゃんお誕生日おめでとう!!」」

孤児院の子供達からのサプライズがアリアを包み込んだ

「え?誕生日?」

アリアが驚愕のあまり立ち止まっていると

「今日はアリアがこの孤児院に来た日よ」

後ろから院長がそう言った

「ここ数日アリアに隠れてみんなで準備していたのよ。今日は飾りつけとかもう隠しきれない内容だったから依頼とか行ってもらったり、教会に意味のない手紙を届けてもらったりして時間を稼いでいたのよ」

「え?!あの手紙意味無かったんですか?!」

「ええ。内容としては{アリアのサプライズ誕生日パーティをするので少しの間時間を稼いでおいてくださいって}っていう物よ。流石は若くして大司教に戻りつめたビリアンね、完璧な仕事だったわ」

院長はそう笑って言うのであった

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