第19話
その日の夜、食堂で夕食を済ませたばかりの僕は、久々に念願の素材ガチャをすることにした。
どこでやるかっていえば、もちろん異空間で。
ここなら誰にも邪魔されることなくガチャに集中できるわけだからね。
ちなみに、『異空間』スキルはレベル2になっているのもあって、リラックスした気持ちでガチャをしたいので内装は普通の一人部屋で、もう一つの空間は地下への階段越しにクロムの部屋にしている。
メタリックスライムは鉄が大好きだってことで、小さな地下工場みたいな薄暗い場所にしたら、『最高の場所だモ!』って飛び跳ねて喜んでてほっこりした。
空間と空間の繋ぎに関しては、こうした上下の階段だけじゃなく、扉越しにすることもできるので、内装はもちろん組み合わせの仕方も自由自在ってわけだ。
……っと、そろそろガチャを始めるとするかな。
以前と違って運勢も高いし、素材も幾らか出やすくなってるはず。
現在のモンスターポイントに関しては、学園敷地内のカエル退治で稼いだものもあるけど、ボスガエルを倒してダンジョンをクリアしたことが大きい。
『白石優也様、378連ガチャを開始します。現在のMP:378』
番 結果
1.スカ
2.スカ
3.スカ
4.スカ
5.スカ
6.スカ
7.スカ
8.スカ
9.スカ
10.スカ
「……」
怒涛のスカ10連発。なんか前回と同じ出だしなのもあって早くも不安になってきたけど、それでもまだ10回しかやってないし大丈夫……のはず。
91.スカ
92.スカ
93.スカ
94.スカ
95.スカ
96.スカ
97.スカ
98.スカ
99.スカ
100.スカ
「……」
いや待って。何これ。100回やっても何も出ないとか、前回と似たような流れなんだけど……⁉
151.スカ
152.スカ
153.大当たり!(『とても古い髪』を獲得!)
154.スカ
155.スカ
156.スカ
157.スカ
158.スカ
159.スカ
160.スカ
「お……おおおおぉぉっ!」
153回目で遂に出た。前回は確か、300回くらいやったあとに素材が出たから、これは大きな進歩だ。
というわけで早速、この素材について調べてみよう。
名称:『とても古い髪』
種別:『素材』
レア度:『B』
効果:『古びた黒髪。その割にとても綺麗で艶がある。鬘にも合成にも使うことができる』
おー、レア度がBってことで、合成に使えばよい結果が期待できそうだ。
既に持ってる『神秘の羊羹』のレア度もBでそこそこ高いし、今すぐにでも合成を試行してもいいんだけど、まだモンスターポイントが結構余ってるのでガチャをやることにする。
やっぱり、合成する素材が多いほど獲得できるアイテムのレア度も上がるような気がするんだ。実際、前回は三つで合成した結果、あそこまで良いものがズラッと出たわけだし。
250.スカ
251.スカ
252.スカ
253.スカ
254.スカ
255.スカ
256.スカ
257.スカ
258.スカ
259.スカ
260.スカ
「あー、ダメか……」
あれから100連くらいガチャをやってみたけどダメだ。やめといたほうがよかったかなって思うも、ここまで来たんだから当たりが出るまでやろう。
321.スカ
322.スカ
323.スカ
324.スカ
326.スカ
327.スカ
328.大当たり!(『血塗れの刃』を獲得!)
329.スカ
330.スカ
「来たあぁぁっ!」
ようやく三つ目の素材が出た! これでやっと合成ができる……っと、その前にどんな素材なのか調べてみよう。
名称:『血塗れの刃』
種別:『素材』
レア度:『A』
効果:『どうしても取れない血痕がこびりついた刃。柄の部分が消失しており、武器としては使いづらそうだ。合成に使用できる』
血塗れの刃かあ。血痕がどうしても取れないってのがなんか不気味だけど、レア度がAってことで、素材としてはかなり期待できそうなやつだ。
残りのMPは48しかないし、次に沢山ガチャをやるために温存しとこう。
さー、待ちに待った素材の合成開始といこうか。合成する素材はこの三つだ。レア度Bの『神秘の羊羹』、同じレアリティの『とても古い髪』、レア度Aの『血塗れの刃』。
前回はレア度Cの素材が二つとレア度Aの素材であの最高の成果だったのもあって、今回はそれ以上に期待してしまうけど、よっぽどのことがなきゃ合成シャッフルをやるつもりだ。
さあ、合成開始だ!
番 レア度 旧確率 新確率 種別 名称
1.B 12% 100% 素材『黒い綿飴』
2.A 3% 100% 道具『毛筆の鍵』
3.S 1% 100% 防具『メタリックアーマー』
『白石優也様の【合成マスター】スキルが合成に適用された結果、これらのものが完成します。その場合、残りDPは120です。キャンセルした場合、残りDPは147となります。獲得しますか?』
『☞はい いいえ』
「えぇ……」
たった三つしかないのか。良さそうなアイテムだけど、これらと引き換えに三つの素材がなくなるのは納得できないから、もちろんNOで。
番 レア度 旧確率 新確率 種別 名称
1.C 11% 100%
2.B 7.3% 100% 防具『棘の服』
3.B 7.1% 100%
4.B 3.7% 100% 道具『歪な裁縫箱』
5.A 3.5% 100% 素材『動く藁人形』
6.A 3.2% 100% 素材『異質な闇』
7.S 0.9% 100% 従魔『ミミック』
『白石優也様の【合成マスター】スキルが合成に適用された結果、これらのものが完成します。その場合、残りDPは77です。キャンセルした場合、残りDPは140となります。獲得しますか?』
『☞はい いいえ』
ん-……さっきと違って得られる数は倍以上だけど、全体的にクオリティが並みな感じがするので却下で。正直、ミミックだけは欲しかったんだけどね……。
あとで、合成で出たものを一つだけゲットできる、なんていう効果のアイテムが出ないかな? それがあれば迷わずゲットしたい従魔だ。
それ以降も合成シャッフルを繰り返すものの、思うようなものは出なかった。
そろそろDPが100を切りそうだ。どうしよう。次辺りで出たものに決めようかな。『合成マスター』は実際に獲得するとなればポイントの消費が10倍だし、DPがなくなると獲得できなくなるから本末転倒だ。
さー、そろそろレアアイテムの欲張りセット、来い来い来いっ……!
番 レア度 旧確率 新確率 種別 名称
1.C 11.5% 100% 素材『暗色の
2.B 6.9% 100% 道具『永遠の黒髪』
3.A 3.3% 100% 道具『魔法の筆』
4.A 2.8% 100% 防具『ブラックビーストの靴』
5.S 1% 100% 水準『レベル50』
6.S 1% 100% 従魔『アマツノムスメ』
7.S 1% 100% 武器『
『白石優也様の【合成マスター】スキルが合成に適用された結果、これらのものが完成します。その場合、残りDPは35です。キャンセルした場合、残りDPは98となります。獲得しますか?』
『☞はい いいえ』
「おっ……」
かなりいいんじゃないかな、これ。技能はないけど、シャッフルを始めてからSが初めて三つも並んだ。レベル50があるのが大きい。正直、これ以上のものは期待できそうにないし、これに決めよう。
さて、レア度が低いものから順に調べていくか。
名称:『暗色の蒟蒻』
種別:『素材』
レア度:『C』
効果:『暗い色の蒟蒻。とても柔らかくてほんのりと黒砂糖風味の不思議な味。合成に使うことができる』
Cランクでも素材があるのは大きい。組み合わせ次第ではあるけど、柔軟性のあるものが作られそうだ。
名称:『永遠の黒髪』
種別:『道具』
レア度:『B』
効果:『これをつけると自毛になる。白髪になることや、髪が抜け落ちることもない。アイテムをタップして取り外すこともできる。永遠の若さを象徴するアイテム』
地味にいい感じの道具。将来的に役立ちそうだし、白髪頭の青野さんにプレゼントしたら喜ばれそうだ。あ、猪川先生のほうがもっとか。あげるつもりはないけど。
名称:『魔法の筆』
種別:『道具』
レア度:『A』
効果:『文字通りの魔法の筆。ノートだけでなくステータスを黒塗りにして隠すことができる。●●●といったように。これで誰かに自分の情報を鑑定スキルで覗かれても大丈夫。また、これで文字を書くと達筆になる』
これまた素晴らしい道具だね。スキル並みの凄い効果だ。この先、誰かに鑑定スキルでステータスを覗かれる可能性もあるし、大事なところはこれで隠せる。達筆効果があるのも嬉しい。
名称:『ブラックビーストの靴』
種別:『防具』
レア度:『A』
効果:『俊敏+10。漆黒の靴で、持ち主の足のサイズに合わせて柔軟に変化するため、靴擦れや外反母趾の心配もない。また、この靴を履いて歩くと足音が立たない』
おおぉ、さすがA級の防具なだけある。俊敏値が上がるだけでなく、誰でも履ける上に足音が立たない。便利すぎる。
名称:『レベル50』
種別:『水準』
レア度:『S』
効果:『レベルが50になり、各ステータスが相応に上がりやすくなる。現在のレベルがこれより高いか同等の場合、効果は無効となる』
レアリティがSなだけあって、50の大台に乗った感じだ。これで訓練が一層楽しくなりそうだね。
名称:『アマツノムスメ』
種別:『従魔』
レア度:『S』
効果:『和風な少女型モンスター。体は小人のように小さいものの、それ以外は人間とほとんど変わらない。淑やかでマイペース。礼儀を尽くせば従順な一面を見せる。餌は和食や和菓子を好む。俊敏かつ手先が器用で、手裏剣や薙刀を使いこなす』
おー、どんな子なのか、なんとなくイメージが浮かんできた。素早くて武器の扱いも得意みたいだし、戦力としてはメタリックスライム以上っぽいね。クロムと仲良くしてくれるといいんだけどな。今から会うのが楽しみだ。
名称:『鮮血剣レベル1』
種別:『武器』
レア度:『S』
効果:『黒々とした血を思わせる赤黒い剣。ブラッディソードともいう。相手の血を吸って成長する。掠り傷一つでも負わせると、そこから血を吸うので相手には致命的なダメージが発生する。レベルが上がるごとに追加ダメージは大きく上昇。また、レベルが上がると剣自体が言語を発し、遂には会話もできるようになる』
凄いや。血を吸って成長する剣で、レベルを上げれば会話もできるんだって。掠り傷一つでも致命傷になるのに、さらにダメージが増えていくなんてオーバーキルだ。これほどの効果だと技能を獲得したのと同じレベルだね。最後にステータスチェックだ。
ステータス
名前:『白石優也』
年齢:『15』
性別:『男』
称号:『Gクラス』『ラッキーマン』『マッチョマン』『リア充(NEW)』
レベル:『50(+20)』
腕力:『32』(+1)
俊敏:『42』(+10)
体力:『30』(+1)
技術:『30』(+2)
知力:『19』(+2)
魔力:『31』(+1)
運勢:『30』
MP:『48(-330)』
DP:『35(-115)』
スキル:『合成マスター』『鑑定眼レベル3(+1)』『異空間レベル2』
従魔:『クロム』『アマツノムスメ(NEW)』
武器:『ゼリーソード』『鮮血の剣レベル1(NEW)』
防具:『水の鎧』『ブラックビーストの靴(NEW)』
道具:『無限の水筒』『永遠の黒髪(NEW)』『魔法の筆(NEW)』
素材:『暗色の蒟蒻(NEW)』
「……」
僕はしばらく見惚れてしまっていた。いやー、本当に惚れ惚れするステータスだね。でも、ここで満足しちゃいけない。僕が目指してるのは世界最強の探索者なわけだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます