生きるというモノ



 ふと、


  生きる事とは何かを考えてみた。




 考えられる事が生きることだろう。


  ならば自我のない者は生きていないのか。



 証を遺せる事が生きることだろう。


  ならば成し遂げられなかった者は生きていないのか。



 正義を護る事が生きることだろう。


  ならば過ちを犯した者は生きていないのか。




 いや違う。



  生きるというのは、


   誰かの人生の一部になることなのだ。




 誰かの人生、


   誰かの記憶の


    一部になれれば良いのだ。




 私自身のことで無くて良い! 



 その場所を形作る一部に、


  間接的でもその景色を飾った一部分になれれば!




 蹴った石 踏んだ落ち葉


  あの日気まぐれで作った何かが!





 沢山の必然を得て、遠い未来でも誰かの記憶の一部となれたら、それで良いんだ。




 そしてまた、私自身も過去を生きた誰かの一部なのだ。



 この景色を忘れずに生きよう。


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