何者かになりたくて



 何者かになりたくて。



  もう随分と時間が経ってしまった。




どうしたら良いかなんて分からないし。



 見つけた居場所も


  どうにも光が鈍くってさ。





 そんな鈍い光の中に立っていると。



  ふと、



   眩しさを感じた。




 たしかに、



  この場所の光は鈍いけど。




 光は私を照らしてくれている。




 頑張って生きた分だけ。



  人に与えられた優しさの分だけ。



   この光は明瞭さを増す。




 いつしかそれは眩しさに変わり。



  誰かの心に届くだろう。




私は大きな何かにはなれないかも知れない。



それでも



 一瞬、誰かの心に生きられたなら。



  何者かになれている。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る