第2話 スケベ師匠


「エース、帰りはウチのお好み焼き屋に寄って、ヤキソバを食べようや !」


「エース君は帰りに、わたしのアイスクリーム屋に寄ってクリームソーダを食べるんだから、ウッチャンはあきらめて !」


「二人とも勘違いしてるちゃ !

 ダーリンはウチと一緒に放課後デートをするんだっちゃ !」


 自称、エース君の嫁たちの主導権争いがウルサイ !


 まず最初に断っておくけど、アタシだってに興味だってある。


『何時かは白馬の王子様が !』

 が、なんて夢を見ているワケでは無いけど、アタシだけの王子様を夢見たって、いいっしょ !



 福岡田十八番ふくおかだ エースくん……

 その優しい性格で、早くもクラスの中心的な存在に成っている。

 しかしアレ以来、BL漫画の話はおろか、ラノベやアニメの話すらしているのを確認出来ない。


 所詮は、陽キャラのただの気まぐれだったのよ。

 正直、期待ハズレね。

 少し希望を持ったアタシがバカだったのよ。



 読書でもして心にオアシスを与えましょう。

 アタシが席に座ると、当然のようにエース君が隣に座った。

「今日は、どんな同人誌を読むの ?

 やっぱりBL ? 良かったら、いろいろ教えてくれるかな、師匠 !」


 やっぱり、お前かぁぁぁー !

 最近、クラスメートがアタシを見ながらと言っていたのは !


 とは言っても口にすることは出来ない。

 コミュ障なめるなぁー !


「福岡田くんは……「エースで良いよ ♪」


 これだから、陽キャラは !


「えっ エース君は同人誌に興味があるの ?」


「うん、実はね。 僕のお父さんが……「エース、何してるんや ?」


「ダーリン !

 ひかりの側に居るとスケベがうつるっちゃ !」


「ダメだよ右京、ネイ。

 人の好きな気持ちをバカにするのはイケナイことなんだよ !

 僕だって、Hなことに興味くらいあるんだから。

 三人とも自分の好きなことをバカにされたら嫌でしょう !」


「ちょっと、エース落ち着いてや !」

「ウチが悪かったっちゃ ! ダーリン許して欲しいちゃ !」

「わたしは、バカにしていませんよ。

 悪いのは、ウッチャンとネイです。

 だ・か・ら、わたしをお嫁さんにしてくださいね ♪」


「「抜け駆けするな(ちゃ)!」」


 傍目はためにはコントみたいで面白いかも知れないけど、巻き込まれた身としてはたまったものではないわ !


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