第14話 『異変』

「し……真の力って、私にはなんのことだかサッパリだよ><」

「自覚がないとはな。だが、そう考えるのが自然だ」


 そう言われても今まで色々とあり過ぎて、考えたことすらなかったよぅ><


「それに王国を追放されたと言ってたな? つまり、俺と似た境遇なわけだ」

「え……? いきなりナンパ?!(・◇・;)」


 びっくりする私に、ジョッシュはすぐ「なんでやねん」と突っ込んだ。


「じゃなくて、ユウナの能力に興味がある。確か、近場の町に行くとも言ってたな? なら、俺が護衛してやる。『面白いもの』を見せてもらった礼として、今なら無料タダでな」


 なんかはるかみたく、グイグイ来るなぁ……でも、一人より全然心強いよ。私はお言葉に甘えることにした。



 ◇ ◇ ◇


 ジョッシュは道中、他にも色々と話してくれた。普段は単発の冒険者や雇われの傭兵などこなして、日銭を稼いでる。


 いわゆる『フリーランス』で、あちこちから仕事を持ち掛けられるほどの腕前なんだって。現に町に着くまで野犬に襲われたけど、華麗な二刀流であっという間に倒しちゃったw(゜o゜)w


「本当に私に、“特異な力”なんてあるのかな?」


「異邦人の中には、ごく稀に人智を超えた能力の持ち主がいる。別大陸では稀有けうなスキルで、英雄まで昇りつめた奴もいると聞く。そいつは『魔族デーモンキラー』とも呼ばれてたな」


 ふぅん……私と瑤以外もやっぱり居るんだ、別の世界から来た人って。色々と話してたら、ジョッシュが「着いたぞ」と呟いた。

 本当に小さな町だね。これだと村に近いよ。人もまばらで、まだお昼なのになんだか寂しいね。


「この町は昔は賑わってたそうだが、歪みの影響で年々過疎化が止まらない。そのうち『消滅』するんじゃないかと噂だ」


 えぇ!? 自然豊かなのに勿体ないなぁ……あっ、そうだった。『大事』な用があるんだった。


「ん? ユウナ、どこへ行くんだ?」

「山小屋のお爺さんに、頼まれたんだよねぇ。娘さん夫婦によろしくって」


 私もジョッシュには、一通り話していた。お爺さんから聞いた住所に向かうと、立派なお家が見えてきた。


「ごめんくださ~い」


 私が声を掛けると、しばらくして女性が玄関の扉を半開きして顔を見せた。この人が娘さんだね、お爺さんの面影があるし。


「……どちら様で? 見ない顔ですが、珍しいですね。この町にお越しになるなんて」

「あの……私、あなたのお父さんにお世話になった者でして。お手紙を預かってます」


 私は女性に手紙を渡した。女性は文面を確認すると……


「確かに父の字です、失礼しました。どうぞ、中へお入りください。大したおもてなしは出来ませんが」


 居間に通されると、男性が深刻な面持ちで何やら考え込んでた。女性によると、この町の町長さんなんだって。


「ようこそ、お越しくださいました。ですが、ご覧の通りこの町は『歪み』で寂れる一方。王国に浄化の嘆願書を何通も送っていますが、無視されてまして……」


 えぇ!? 困ってる人たちを見てみぬ振りとか、巫女の風上にも置けないね(`Δ´)プンプン


「それに私たちは、私的プライベートな問題も抱えてまして……。一人娘のロゼが、歪みが発する瘴気しょうきとこに伏せてます。医師も完治は難しいと申してます……」


 そんな……瑤がもっと早く浄化してれば、こんなことにはならなかったのに! その時、窓際で「町長、居るかっ!?」と声が響いた。


「どうしました? 今、接客中なのですが……」

「喜べっ! ついに光の巫女様が、浄化に来てくださるそうだ!」


 え……今さら来る? タイミングが、いいのやら悪いのやら(-_-;)

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