第5話 『決意』

 私は大臣のベルナーさんに、なんと屋根裏に案内された。『狭い汚い臭う』と三拍子揃っていて、クモの巣まで張ってあるしヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!


 『召還』されてはるかは『光の巫女』と判明、すぐにジョルジュ皇子に気に入られた。今頃は私じゃ想像できないほど、厚待遇を受けてるでしょうねぇ(ーдー)


 私はボロボロのベッドに突っ伏した。色々とあり過ぎて、どっと疲れが押し寄せてくる。でも、これからどうするかを考えないとね。私は『脳内会議』を開いた。



――私A『どうして、こうなったんだろうねぇ……ていうか、私はこれからどうなるんだろ?』


――私B『落ち着いて、私っ! これ以上、状況を悪化させない為にもみんなで考えよ!』


――私C『そうは言ってもねぇ……まさかいきなり、“巫女失格”の烙印らくいんを捺されるとは思わなかったよ(ノД`)……』


――私D『とりあえず、お城から出ていくというのは得策ではないね。まだこの世界について、ほとんど何も分からないし』


――私A『そうだね……勢いに任せて出ていったら、それこそ本当の負けだし……』


――私B『そだねぇ……他にいく宛もないし。ここで頑張るしかないかぁ』


――私C『さんせーい。まぁいきなり、放り出されりしないでしょ?』


――私D『よし、ではそれでいこう。元の世界に還るまで、諦めちゃダメよ』



 結論が出た私は、事前にベルナーさんから貰った食事にありついた。固いパンに冷たいスープって……はぁ、お母さんの料理が恋しいよぅ><



 ◇ ◇ ◇


――翌朝。


 バッ! いきなり薄い掛け布団を剥がされ、私はイヤでも目を覚ますしかなかった。


「え……何々っ!?」

「いつまで寝てるんだいっ!? 『仕事』が始まるさねっ!」


 ベッドの脇に見知らぬオバさんが、腕組みをしながら私を見下ろしていた。


「えっと……? あなたは誰ですか?」


「なんだい、ベルナーから聞いてないの? 今日から、アンタの世話係のメイド長さ。40秒で支度しな!」


 えっ……ちょっと待って! そこはせめて「3分間待ってやる」でしょ!? 40秒じゃ髪もけないじゃん!



 ◇ ◇ ◇


……その後は散々だった。


 理不尽にも私は『遅刻』扱いされ、メイド長に一日中イビり倒された。さらに他のメイドにも意地悪をされた。


 私も最初は言い返したりしたが、状況が悪化するだけなので黙々と仕事をこなす事にした。ていうか私、バイトもした事ないんだけどなぁ(ーдー)


 私は主にお城の清掃を担当してるんだけど、皇子と瑤が通る度に床を磨き上げろって言われた時は、流石に呆れたね(-_-;)


 最初は悔しかったし、なんで私がこんな目にって思ったけど、こうなったら絶対に元の世界に還ってやる! って、密かに『決意』したね(p`・Д・´q)



 忙しいと本当に時間が経つのは早く、あっという間に一ヶ月が過ぎた。お父さんやお母さん、クラスの友だちはどうしてるんだろう? 今頃、捜索願いが出されてたりして(-""-;)


 そんなある日、私はある『事件』に巻き込まれた。まさか『あんな事』になるなんて……。

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