第9話【PV100記念】太郎、祝うぞ

 レンが家に来た。


「おい、レン。俺のヤバい小説がPV100行ったぞ」


「はぁ? 正気の沙汰じゃねぇな」


「やっぱ、奇才なのか? 俺は」

「いや、怖いもの見たさでウケてるだけだろ」

「ひど(笑)」


「っておい、あそこ。蜘蛛いるぞ」

「ああ、太郎だ」

「はぁ!?」

「ハエトリグモの太郎、かわいいだろ」


 太郎の身長は1センチ満たない位だ。皆の家にも出ると思う、お馴染みの黒い小さい蜘蛛だ。正式名称はアダンソンハエトリ。検索することはオススメしない。ちょっとキモい画像(顔のどアップ画像)が出てくるから。


「なに名前つけてんの? キモ」

「いいじゃん、あいつはコバエ食ってくれるから、いいやつなんだよ。2週間前から、うちの住人だ。ちっちゃくて可愛いだろ」

「えぇ……」


「おい太郎、俺のヤバい小説がウケてるぞ。お前も祝え」

「……」

 太郎は何も言わず、じっとしている。


「何も反応しないな」

「そりゃそうだろ」

「可愛いな」

「どこが?」





 

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